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32歳で亡くなったInjury Reserveのメンバー、Stepa J. Groggs。過ちから学び、成長し続けた彼の5つのヴァースを振り返る。

 

今週、32歳にしてこの世を去ったヒップホップトリオInjury Reserveのメンバー、Stepa J. Groggs。Injury Reserveはオルタナティブ・ラップ・トリオとして2013年に結成し、昨年、セルフタイトルのデビューアルバムをリリースしたばかりであった。彼らは昨年来日もしており、エネルギーに満ちあふれていたライブを披露していた。そんなStepa J. Groggsの数あるヴァースのうち、ここではPitchforkがピックアップした5つを、歌詞を抜粋しながら紹介したい。

 

「Washed Up」

この曲では、有名になることの代償、そして成長についてが歌われている。Stepa J. Groggsは、一部のファンが、ことあるごとにすぐ手のひら返しをし、態度を変えることに関して「政治家のようだ」と苦言を呈しながらも、“I can’t even talk because I’ve done the same/One minute that’s your favorite, next minute that n*gga’s lame”(俺自身同じことをやったことがあるから何も言えない/さっきまで好きなアーティストだったのに、すぐに飽きて嫌いになる)と共感さえも示している。自らの立場だけでなく、相手の立場も理解できる彼の思慮深さが良く示されているヴァースである。

 

 

「Falling」

自らがアルコール中毒であることを曲の中で頻繁に語っていたStepa J. Groggs。特に「Falling」では、自分の子供に対して良い見本になれているかどうか、日中の仕事の勤務時間が減っていることについてなど、抱えている不安を飲酒で解消していることを語っている。しかし、”I’m still in control of life/When it seems I’m about to crash/Mama raised me well, so I know I’ll be alright”(俺はまだ人生を見失っていない・倒れそうなときも・母さんは俺のことしっかり育ててくれたから、大丈夫だってわかっている)というポジティブな歌詞で結んでいる。

 

 

「Oh Shit!!!」

アルバムごとにサウンドも進化してきたInjured Reserve。「Oh Shit!!!」が収録されている「Floss」は、前作の「Dentist Office」のジャズ・ラップのサウンドとは違った、ベースが強調された比較的にモダンなサウンドとなっている。Stepa J. Groggsはこのヴァースで、人生を振り返り、「Remember mama told me that I need to get my act together/10 years passed, the only difference is I’m rapping better(母さんに「しっかりしなさい」と言われたことを覚えている/それから10年経ったが、唯一変わったことはラップが上手くなったことだけだ)」などと語っている。

 

 

「Best Spot in the House」

このヴァースで、Stepa J. Groggsは心臓発作で倒れた友人のChuckについて語っている。病院に運ばれ、昏睡状態だと知ったGroggsは「目を覚ましてくれたら毎日連絡する」と神に誓うが、Chuckが目を覚ました後、Groggsは約束を守ることが出来ない。2年後、Injury Reserve初のソールドアウトツアーにて、Stepa J. Groggsは観客の中にChuckを見つけ、Chuckが自分のことを誇りに思っていることを彼の笑顔から読み取る。内面を正直に表現することによって共感できるラップを書く彼のスキルが示されているヴァースとなっている。

 

 

「What a Year It’s Been」

What a Year It’s Beenのヴァースは、Groggsの人となりをよく示しているものである。「Refuse to fuck this up when our dream is too close/Had to grow up and put my pride behind/Got out of my funk, and now I feel alive/Writin’ verses with a smile while my daughter’s by my side, like/Look mama, I made that(俺らの夢がもうすぐ叶うのに、ここで台無しにするわけにはいかない/俺は成長してプライドを捨てる必要があった/憂鬱から抜け出し、今は生きていると感じる/笑顔で歌詞を書いているし、娘が隣にいる/「母さん俺が作ったんだよ。俺はスターだ」なんて言いながら)」。ユーモアを忘れず、自らの間違いから学び、常に最高の自分であろうとしたGroggsの生き方は、今後も彼の作品を通して多くの人に影響を与えるだろう。

 

 

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