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ヒップホップ史上最も印象的なビーフ5選 エミネムや2Pacなど新旧ビーフを紹介

 

 

ヒップホップ文化の重要な要素の一つである「ビーフ」。ヒップホップ史のなかで、ビーフは頻繁に起こっているが、その中でも文化的に大きな話題になったビーフを5つ紹介したい。

 

 

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エミネム vs マシン・ガン・ケリー

 









 

今まで多くのアーティストとビーフをしてきたエミネム。2000年代にはジャ・ルール、ベンジーノ、マライア・キャリーなどのアーティストとビーフしたことが大きな話題となったが、近年のエミネムで印象的なのはMachine Gun Kelly(マシン・ガン・ケリー)とのビーフだろう。先日新アルバム『Mainstream Sellout』をリリースしたマシン・ガン・ケリーであるが、2012年にマシン・ガン・ケリーが、エミネムの娘について「Hot as F***(超セクシーだ)」だとツイートしたことが、2人のビーフの発端であったようだ。

 

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彼のツイートにエミネムは怒りを表しており、エミネムはラジオ番組「Shade 45」からマシン・ガン・ケリーを出入り禁止にしたとマシン・ガン・ケリーは明かしている。さらにエミネムは、アルバム『KAMIKAZE』に収録されている「Not Alike」にて、マシン・ガン・ケリーを名指しでディスした。エミネムは『KAMIKAZE』にて、多くのラッパーを名指しでディスしたが、そのなかでもアンサーを返した数少ないラッパーのうちの一人がマシン・ガン・ケリーであった。彼は、自分が最も憧れていたラッパーにエミネム対して、素早くディストラック「Rap Devil」を公開した。「Rap Devil」はレッドマンやロイス・ダ・ファイブ・ナインなど、エミネムに近いアーティストもパンチラインを評価していた。その後、エミネムは「KILLSHOT」でアンサーした。

 

「KILLSHOT」は、公開から24時間におけるYouTube史上3番目に多い再生回数を記録し、ヒップホップ・ソングとしては公開から24時間で史上最多の再生回数を打ち出したという意味でも、ヒップホップ史上に残るビーフと言えるだろう。マシン・ガン・ケリーはその後、楽曲でエミネムをメンションすることはあったが、現在はポップ・パンクのジャンルで活躍している

2Pac vs ノトーリアス・B.I.G.

 

ビギーと2Pacは元々友人としてキャリアをスタートさせたが、やがて彼らの間に生まれた確執は、90年代最大のビーフとして現代も語り継がれている。1994年に2Pacの身に起こった銃撃事件が、Diddyとビギーの仕業だと考えた2Pacは、友人であったビギーにディストラック「Hit ‘Em Up」を向けたのであったのだ。銃撃事件の直後に、ビギーが「Who Shot Ya?」という曲をリリースしたのもあり、2Pacは敵意を全面的にDiddyとビギーのバッドボーイ・レコーズに向けていた。そのビーフはエスカレートし、西海岸と東海岸という、海岸同士を巻き込んだものとなる。1996年に、2Pacが銃撃され亡くなり、その半年後にはビギーも銃撃によって亡くなった。

 

ちなみに、2Pacの「Hit ‘Em Up」は、通算で35回以上「Fuck」という言葉を使用している

 

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Nas vs Jay-Z


ビーフの歴史のなかでも、最も過激な内容が飛び交ったビーフと言えばJay Z V.S. Nasと言っても過言ではないだろう。元々はJay Zが楽曲「Dead Presidents」にてNasの「The World is Yours」のラインを勝手にサンプルしたことがきっかけで始まったビーフであるが、Jay-Zが「Takeover」にてNasとモブ・ディープをディス。そのアンサーとして、Nasは「Ether」をリリース。「Ether」は「Hit ‘Em Up」と同じく、クラシックなディストラックとして、そのハードなリリックが評価された。お互いの母親に「ビーフをやめてほしい」と言われ、仲違いを解消したとインタビューで語っていた。

 

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カニエ・ウェスト & プシャ・T vs ドレイク

 

プシャ・Tとドレイクは長年仲違いしていたが、プシャ・Tが2018年にリリースした「Infrared」が発端でビーフが再燃した。プシャ・Tはドレイクがゴーストライターを雇っているとラップし、ドレイクは「Duppy Freestyle」でアンサーをした。ドレイクは「Duppy Freestyle」にて、プシャ・T以外にも同じく長年仲違いしていたカニエ・ウェストをディスした。カニエ・ウェストはプシャ・Tのプロデューサーであり、レーベルメイトでもある。その後、プシャ・Tは「Story of Adidon」にて、ドレイクの隠し子の存在を暴露。ドレイクはプシャ・Tについて「あの人との関係を修復しようという気持ちはない。状況は進んで、もう戻ることはない。よく聞くような他のビーフとは違うんだ。もうバトル・ラップとは関係ない内容で、ラッパーとしてどうか?という内容ですらなかった」と語っていた

 

カニエ・ウェストとドレイクは、2021年に和解をしている。

 

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ドクター・ドレー  vs Eazy-E

 


N.W.A.を脱退した後、ソロデビューアルバム『The Chronic』にてEazy-Eと、<Ruthless Records>のジェリー・ヘラーをディスったドクター・ドレー。その後、Eazy-Eは『It’s On (Dr. Dre) 187um Killa』にてドクター・ドレーとスヌープ・ドッグをディスり、「Real Muthaphuckkin G’s」ではドレーとスヌープを偽ギャングスタと批判した。このビーフは非常に話題になり、お互いがソロアーティストとしてのキャリアをキックオフするきっかけになったと言えるだろう。

 

 

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