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Chance the Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)の新アルバム「The Big Day」を抑え、ビルボード一位を獲得したラッパー、「NF」について紹介。

 

Chance the Rapper(チャンス・ザ・ラッパー)の新アルバム「The Big Day」を抑え、Billboard 200にて一位を獲得したラッパー、NF。彼がチャンスと同じ7月26日にリリースしたニュー・アルバム「The Search」は、初週の合計で130,000枚相当を売り上げており、ストリーミングではおよそ5840万回も再生されている。ビルボードによると、「The Search」は、今年リリースされたラップ・アルバムの中で、4番目の初週売上枚数を獲得している。

 

このように巨大な数字を叩き出しているNFだが、彼を知らないヒップ・ホップ・ファンも多いだろう。今回は、Complexの記事を参考にし、NFについて知っておくべき内容を紹介したい。

 





 

彼の音楽はどんなものなのか?

 

NFの音楽は、多くの人によって「クリスチャン・ラップ」として分類されている。しかし、彼自身は「俺は確かにクリスチャンだが、クリスチャン・ミュージックは作っていない」と、その分類を否定している。「一つの視点から話すだけでは、リスナーに共感してもらうことはできない。俺は自分自身が経験していることについて語っている。クリスチャンじゃなくても俺の曲には共感してもらえるよ。」とも語っている。しかし、彼の歌詞にはキリスト教的メッセージが多く登場しており、2017年にリリースしたシングル「All I Have」では、「俺はKing(キリスト教でイエス・キリストを指す)のために生きている」と歌っている。また、Flameの「Royal Flush」などといったクリスチャン系ヒップ・ホップのアルバムにフィーチャリングとして登場しており、クリスチャン・ラップのリスナーであったため彼を認知したファンも多い。

 

 

どうやって一位の座を手に入れたのか?

 

彼の特徴はiTunesとフィジカルの販売枚数が多いことである。13万枚相当のアルバム売上数のうち、8万4千枚がiTunesとフィジカルによる売上である。これは今年リリースされたラップ・アルバムの中では最も大きく、このように彼にはハードコアなファンベースがいるがことが理解できる。「The Search」は9万5千枚相当の売上が予想されていたが、NFのオフィシャル・サイトにてサインされたオリジナルグッズとセットで販売されたことで売り上げが伸びたとされている。過去にも彼が2017年にリリースした4枚目のアルバム「Perception」が55,000枚相当を売り上げ、Billboard 200にて第一位を獲得している上、2019年1月にはプラチナ認定を受けている。同アルバムに収録されているシングル「Let You Down」と「Lie」も、リリース時にはチャートのTop 10にランクインしていた。

 

 





 

 

なぜ音楽を始めたのか?

 

NFはミシガンで育った。両親が離婚し、母親と住んでいたものの、母親の彼氏からのDVきっかけに父親と住むことになった。母親は2009年に薬物のオーバードーズにより亡くなっている。彼はこうした現実から抜け出すためにラップを始めたと語っている。カラオケマシーンを使用しレコーディングし始め、2010年には自身初のアルバム「Moments」を本名Nathan Feuersteinの名義で自主リリースしている。

 

レーベルには入っているのか?

 

クリスチャン系レーベル「Capitol Christian Music Group」に初のヒップ・ホップ・アーティストとして2014年に契約し、ヒットのきっかけとなったセルフ・タイトルEP「NF」をリリースした。「Perception 」はCapitolをディストリビューターとし、自身のレーベルの名義「NF Real Music」からもリリースしている。「The Search」はNF Real MusicとCaroline Recordsよりリリースされている。

 

 

誰から影響を受けているのか?

 

インタビュ-でエミネムを自身のインスプレーションとして語ったNF。「彼のラップしたこと全てに共感したわけではないけど、その時初めてとても純粋なものを聞いた気がするんだよね。誠実さを肌で感じたんだ。彼の音とエネルギーがとても好きだ。(中略)だから個人的には彼が最も大きな影響を与えてくれたアーティストだね。」

 

 

他のラッパーは彼について何と言っているのか?

 

エミネムは2018年にリリースしたアルバム「Kamikaze」のシングル「The Ringer」にて、彼のことを歌っていると思われる。「It’ll help me get back to myself, and she’ll love me/I mailed the bitch back and said if I did that/I’d be like everyone else in the fucking industry/Especially an effing Recovery clone of me (NFing).(俺を元に戻す手助けをしてくれる、そしてそしたら彼女は俺を愛してくれる/俺は彼女に言った、もしそんなことをしたら/業界にいる他のやつ同じだ/特にリカバリー(エミネムのアルバム)のクローンのやつみたいだ(NFing))」

また、LogicもNFをツアーに呼び寄せるなどしている。Z100のインタビューにて、ロジックとの関係について彼は以下のように語っている。「ロジックのプロデューサーとステージ脇で話してたんだよね『やばいな、4年前にロジックとステージに乗ったころには、あいつは1枚目アルバムを出したころだった』ってね。」

 

 

このように、NFの名前をあまり聞いたことないヒップホップファンも多いかもしれないが、彼はコアなファンベースを築いており、チェックは必須であろう。

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