多くのヒップホップアーティストがサンプリングした伝説的なシンガーとしてだけでなく、公民権運動の活動家としても知られるNina Simone(ニーナ・シモン)。彼女の力強い歌声や、楽曲に込められたメッセージは現在も多くの人と共鳴する。彼女はインターナショナル・アイコンとして世界的に影響を与え、揺るぎない信念によって社会にに変化を与えようと取り組んでいたアーティストであった。
そんなニーナ・シモンから影響を受けたと語るアーティストも非常に多く、そんなレジェンドの人生やキャリアを追う楽曲を、Pitchforkが紹介している。
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・生誕(1933年~)
ノースカロライナ州にて8人兄妹の6人目として生まれたニーナ・シモンは、幼い頃から音楽を学んでいた。彼女はやがて、ジュリアード音楽院でレッスンを受けるようになる。
・「I Loves You, Porgy」(1958年~)
ニーナ・シモンのデビュー・アルバム「Little Girl Blue」がラジオ局のDJの目に止まった時期。アルバムに収録されている、オペラ「Porgy and Bess」のカバー曲「I Loves You, Porgy」に釘付けになったフィラデルフィアのあるDJは、ほぼノンストップで楽曲をプレイし続けたようだ。
このように1stアルバムがヒットしたにも関わらず、ニーナ・シモンは3000ドル(約32万円)で音源の権利を手放してしまったようだ。こちらの悪質な契約により、彼女は得るべきであった数百万ドルのロイヤルティーを失った。
・「Black Is the Color of My True Love’s Hair」(1959年~)
翌年、彼女は新たなレーベルと契約し、ライブ音源「Nina Simone at Town Hall」をリリースした。こちらのアルバムには、「Black Is the Color of My True Love’s Hair」というアメリカの伝統的なフォークソングのバラードのカバーが収録されている。
・「Mississippi Goddam」(1963年~)
公民権運動の指導者であるMedgar Eversが暗殺されたことや、アラバマの16番通りバプティスト教会にダイナマイトが仕掛けられ4人の子供が死亡した事件などがきっかけとなり、オーディエンスの反応も変化するようになった。1964年に、これらの出来事についてなどを歌った「Mississippi Goddam」という楽曲をニーナ・シモンはリリースする。彼女は「自身にとって初の公民権運動の楽曲」と語っている。
・「I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free」(1967年~)
こちらの自由について歌われた楽曲のカバーは、人々に勇気をもたらす、公民権運動などのアンセムとなった。またこの時期にニーナ・シモンは、後に「双極性障害」と呼ばれる症状を持つようになる。彼女は1974年ごろに娘のLisaとリベリアに移住する。1976年にスイスで行われたモントルー・ジャズ・フェスティバルにもニーナ・シモンは出演しており、このパフォーマンスは彼女のキャリアにおける決定的な瞬間の一つとなった。
このようにPitchforkは、その年ごとにニーナ・シモンの楽曲を中心に彼女の人生を解説しており、現代においても非常に重要な楽曲をいくつも紹介している。フル動画はこちらのリンクからチェックすることができる。
また、ネットフリックスにて「ニーナ・シモン〜魂の歌」というドキュメンタリーを日本語字幕で見ることができるので、そちらもオススメする。