コダック・ブラックの新作『Dying to Live』が初のNo.1獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
2017年4月に、初登場3位をマークしたデビュー・アルバム『Painting Pictures』から約1年半振りにリリースされた本作『Dying to Live』で、自身初のアルバム・チャート首位獲得を果たした、コダック・ブラック。これまでの最高位は、2017年8月に発売されたミックステープ『Project Baby 2』の2位で、シングル曲を含めても総合チャートでの1位は初の快挙となる。なお、アルバムのTOP10入りは3作目。
本作の初動ユニット数は89,000で、そのうちわずか5,000枚がアルバム・セールス、ユニット数のほとんどがストリーミングによるものだった。10月にリリースした先行シングル「ZEZE feat.トラヴィス・スコット&オフセット」が、こちらもシングルとしては自己最高位となる2位(Hot 100)まで上昇し、アルバムのヒットに繋げた。同曲は、R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートで首位を獲得している。今年は、グッチ・メインのシングル「ウェイク・アップ・イン・ザ・スカイ」にブルーノ・マーズとコラボし、ソング・チャート最高11位のスマッシュ・ヒットを記録したコダック・ブラック。保釈後は、意外にも好調な出だしをみせている。
先週2位にダウンしたミーク・ミルの『チャンピオンシップス』は、今週も同2位をキープし、登場3週目にして83,000ユニットと高い水準を維持している。先週、7位から4位に上昇した映画『アリー/スター誕生』のサウンドトラックは、先週の55,000ユニットを上回る64,000を獲得し、3位へ再浮上した。2019年1月6日に発表される【第76回ゴールデン・グローブ賞】では、レディー・ガガが<主演女優賞>にノミネートされていて、同月に発表される【第91回アカデミー賞】の結果も含め、今後もヒットが期待できそうだ。なお、日本では今週末12月21日に公開されたばかり。
12月14日に全米公開された映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のサウンドトラックは、今週5位に初登場。初動ユニットは52,000で、そのうちアルバムの売上枚数が14,000枚、サントラ盤としては珍しく、ストリーミングによるポイントが半数以上を占めた。というのも、本作はニッキー・ミナージュやリル・ウェイン、ジュース・ワールドといったヒップホップ・アーティストのみで構成されていて、リスナーもストリーミングに寄る傾向がある。サントラからは、ポスト・マローンとスウェイ・リーがコラボしたリード・トラック「サンフラワー」が、先週のソング・チャートで7位まで上昇するヒットを記録している。先週発表された映画の全米ボックス・オフィスランキングでは、興行収入およそ3,500万を記録して首位デビューを果たしている。
日本でも大ヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』のサウンドトラックも、映画のヒットを受けて先週の13位から8位に、返り咲きのTOP10入りを果たした(週間43,000ユニット)。また、『グレイテスト・ショーマン』のサントラ盤も、同43,000ユニットを獲得して先週の12位から10位にランクアップしたため、今週はTOP10に4作もサウンドトラックがランクインするという、珍しいチャート・アクションとなった。
マイケル・ブーブレの『クリスマス』は、先週の3位から4位にワンランクダウンしたが、先週とほぼ横ばいの63,000ユニットを獲得している。また、ペンタトニックスのクリスマス・アルバム第三弾『クリスマス・イズ・ヒア!』も、45,000ユニットを獲得して、先週の11位から7位に、再TOP10入りを果たした。ホリデー・アルバム(ソング)のピークは次週のチャートまでで、それ以降は視聴回数やエアプレイ、セールスが激減するため、チャートから一気に姿を消すのが例年の傾向。
Text:本家一成
◎【Billboard 200】トップ10
1位『Dying to Live』コダック・ブラック
2位『チャンピオンシップス』ミーク・ミル
3位『アリー/スター誕生』サウンドトラック
4位『クリスマス』マイケル・ブーブレ
5位『スパイダーマン:スパイダーバース』サウンドトラック
6位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
7位『クリスマス・イズ・ヒア!』ペンタトニックス
8位『ボヘミアン・ラプソディ』サウンドトラック
9位『スコーピオン』ドレイク
10位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
Photo by Album Cover
(提供元:Billboard JAPAN )