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9月13日 「LIVEWIRE」PUNPEE “Sofa Kingdomcome” ライブレポート

 

 

Writer: Minori Yatagai

 

開催予定だったツアー “Season’s Greetings” が来年へと延期する中、7月にEP『The Sofakingdom』をデジタルリリースしたPUNPEE。スペースシャワーがプロデュースするライブ配信サービス LIVEWIREで生配信された今回の配信ライブ “Sofa Kingdomcome” はそのツアーの番外編的な立ち位置であり、新EPや、以前リリースした『MODERN TIMES』の世界観を盛り込んだ仕掛けが詰め込まれていた。
ライブ開始までの待機画面には、リアルタイムを示す時計と、アメコミ「キングダム・カム」の背表紙が映し出されていた。画面上の時計がライブ開始の20時を指すと、コメント欄の流れも早くなり、生配信を期待する声も増え始めた。「Oldies」が流れ始めると画面がゆっくりと引かれ、今まで見ていた画面が『MODERN TIMES』のジャケ写で本人が乗っていた赤い車だと分かった。車が止まっている場所は音楽ファンにとって馴染み深い場所、渋谷のマンハッタンレコード前だ。

 

 

「P.U.N.P. (Communication)」のビートとともにチャリに乗ったPUNPEEが登場。イントロで「これは生配信」と言った瞬間の胸の高鳴りは、今まで見てきた配信ライブの中でも初めて感じたものだった。マンハッタンレコードを横に入り、パルコ方面へと向かう道中にはダースレイダー氏やメテオ氏の姿も。間奏では、雨の中DJ ZAIがDJプレイを繰り広げた。

 

 

1曲目が終わるとDJの原島“ど真ん中”宙芳が缶ビール片手に現れ、テンポよく「Renaissance」のイントロが流れ始めた。偶然居合わせた通行人が写り込んだり、歓声を送ったりする生配信らしい場面も見られ、PUNPEEは道中のオーディエンスに驚きつつも笑顔を見せていた。パルコを抜けて向かった先はライブハウスの渋谷WWW X。入店の際の検温とアルコール消毒も忘れない。

 

 

「The Sofakingdom VR」で場面はライブハウス内へと移り、EP『The Sofakingdom』のジャケ写をほとんど再現したセットにPUNPEEが登場すると、コメント欄もその再現度の高さに盛り上がりを見せた。「夢追人 feat. KREVA」でDJブースがあるステージへと移動すると、続いて原島のスクラッチでフリースタイルが始まった。フリースタイルでは今の社会状況にユーモアを交えつつ、ポジティブにおもしろがる姿勢を見せた。このアティチュードこそが今回のライブ全体の演出に現れているように感じる。

 

 

ライブも中盤に差し掛かかった。「Scenario (Film)」では聴き慣れた温かいビートに、DJ ZAIのスクラッチ、原島のコーラスが印象的だ。短いMCを挟み、「1人じゃ心細いのでもう1人くらい呼ぼう」の一言とともに「BUDDY feat. PUNPEE」が掛かる。コメント欄にはBIMの登場に興奮する視聴者が溢れたが、出てきたのはペラペラのバーチャルBIM。なんとも言えない動きと雑コラ感に、視聴者も戸惑っていたが、フックに入る前にBIM本人が登場。念願の本人の登場にコメント欄も大きく湧いた。アウトロでは二人でBOXステップ踏んだり、その後のMCでは視聴者のコメントを読み上げるなど、仲の良さそうな様子を見せた。

 

 

BIMが帰るとすぐ流れ始めたのは、STUTSとPUNPEEのクラシック「夜を使いはたして feat. PUNPEE」。イントロの時点で「待ってました」と言わんばかりに流れが早くなるコメント欄。思わず音楽に合わせて体が動き出しそうになった人も多いのではないだろうか。

 

 

ライブも終盤に差し掛かり、「GIZMO (Future Foundation)」ではMODERN TIMESのブックレットに描かれていたGAPPERと思われる超合金ロボやウォッチメンのコミックス、ギズモが浮遊、他にもバーチャルオーディエンスなどがARで大量に出現。どこを見てもPUNPEEの世界観に浸ることができ、その多幸感に思わず涙が出そうになった。個人的に印象に残っているのが、曲の終盤でステージがバーチャル水没し、PUNPEEが水中でラップしている場面。ラップも水中使用になっていて、その凝った演出に思わず笑ってしまった。

 

 

見応えのあるライブも「タイムマシーンにのって」でクライマックスに突入。ライブの始めに出てきた赤い車がARでステージに登場し、PUNPEEの両親が若い時代の板橋駅前にタイムスリップした。「タイムマシーンにのって」の世界観をここまで忠実に表現できるのは、作り込まれた配信ライブだからこそだろう。約40分という長くはない時間だったが、時空を旅したかのような満足感と、生配信の臨場感に溢れた、配信ライブの形を大きく更新したライブであった。細かいディテールまで考え上げられたステージは、PUNPEE自身も語っていた「ポジティヴに捉えていく、今の状況を」という姿勢をそのまま映し出した、”本気の遊び”のようだった。
この模様は生配信が終了した今でもアーカイブ配信されており、9月20日(日)23:59まで観ることが出来るので見逃した人は是非チェックしてほしい。チケットは同日21時までLIVEWIRE WEBサイトで販売されている。

https://livewire.jp/schedule/punpee200913/

 

 

 

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