NEWS

メリアム・ウェブスター辞典が「Racism」の定義を変更。ミズーリ州の女性の指摘を受けて改定。

 

 

メリアム・ウェブスター辞典が、「Racism」という単語について、特定の人種を抑圧するシステムがあるということを明確にした定義にすべきだと、アフリカ系アメリカ人女性であるKennedy Mitchum氏からの指摘を受けて、改訂する方針を明らかにした。

 

関連記事: 【日本語字幕あり】米国の人種差別、法と政治、大量投獄の歴史に踏み込んだNetflixドキュメンタリー『13th』がYouTubeで無料公開。

 

Kennedy Mitchum氏はドレーク大学を卒業した22歳の女性であり、辞典のパブリッシャーに「定義が不適当である」と何度も連絡をし続けたようだ。その行動により、実際に辞典の内容が変更されることになった。Kennedy Mitchum氏はCNNにて、以下のように話している。

 

「世界で実際に起きていることを表すには、現在の定義は足りないと伝えるために、何度も連絡をする必要があった。実際のRacismは、偏見や先入観だけによって起きるものことではない。Racismは、多くのブラックアメリカンの身に降りかかる人種差別的なシステムのことなのです。」

 

また彼女はKmovのインタビューにて「私が彼らに伝えたのは、システムによる抑圧が実在するということを、定義に含む必要があるということです。あなたのことが嫌い、というだけの話ではない。Racismとは、特定のグループや人種に対する、社会システムによる抑圧を意味する。」と説明している。以前の「人種が人間的特性や能力の決定因子であり、人種の違いにより、特定の人種が優位性を持つという考え」という定義に加え、新たに追加された定義は以下のようになっている。

 

a: 人種差別の想定に基づき、その原理を実行するために考案された教義、または政治的なプログラム
b: 人種差別から成り立つ政治的、または社会的な制度

 

これらの2つの定義が新たに追加されることになった。メリアム・ウェブスター辞典の編集者であるAlex Chamber氏は「何度も指摘をしていただいて感謝をしています。そしてもっと早くこの問題を対処しなかったことにより起きた悪影響や不快感について謝罪します。」と語っている。

 

人種差別による政治的/社会的なシステムに関しては、以前紹介した「13th -憲法修正第13条-」で見ることができる。

Shares

RELATED POSTS

VIEW MORE