4つのグラミーも受賞し、エミー賞も獲得している現代を代表するジャズ・ミュージシャンのRobert Glasper(ロバート・グラスパー)。多くのヒップホップアーティストともコラボしており、受賞したグラミーもR&B部門やヒップホップ部門という幅の広さを見せている。
現代のジャズ・ヒップホップシーンにて最も重要と言っても過言ではない彼の存在であるが、彼はこの度ラジオインタビューにて、「エゴイスティックなアーティスト」の例としてレジェンドLauryn Hill(ローリン・ヒル)の名前を挙げた。彼はラジオインタビューとは思えないほど赤裸々に語っているので、紹介をしたい。
グラスパーはローリン・ヒルのライブに誘われたときのエピソードに基づき、ローリン・ヒルの言動について語った。以前ローリン・ヒルは20分のセットで5000万円相当のギャラが支払われるライブにて、1週間フルでバンドとリハーサルをした後、ライブ前日に急に「バンドに満足がいってない」という理由で全員のギャラを半分にカットすると宣言したらしい。グラスパーによると「全員が素晴らしいミュージシャンのスーパーバンドだった」らしく、演奏には全く否がなかったと語る。
グラスパーは既に仕事には困っていなかったので、ライブ前日にローリン・ヒルのスタジオから去ったが、その後代理人が焦ってグラスパーを追いかけてきたとのこと。20分で5000万円のライブということは知っていたため、「ただでさえバンドは少ないギャラしかもらってないのに、一週間拘束した上でライブ直前に半分になる」ことに納得がいかなかったと語る。
「ローリン・ヒルはバンドメンバーをクビにするのが好きなんだ。ざっと考えただけでも15人ぐらいが思い浮かぶ。クビにした後には現地のホテルでオーディションを開催するんだ。いつも最高のミュージシャンが集まるんだけど、彼女はクビにするんだ」と言う。
また、最もショッキングなことは、グラスパーが「ローリン・ヒルは音楽を盗む」と告発したことだ。彼はローリン・ヒルの名盤「The Miseducation of Lauryn Hill」は、彼の友人たちがプロデュースした音楽を盗んだものだと語った。「友人たちの音楽を盗んだ人」という知識を持った上で、上記の出来事があったため、彼はローリン・ヒルと合わないようにしているとのこと。
実際にどこまで脚色されているのかは不明であるが、もしこれが事実だとしたらヒップホップファンにとってはショッキングな内容であろう。ローリン・ヒルの名盤「The Miseducation of Lauryn Hill」のイントロに続く、2曲目「Lost Ones」の「It’s funny how money change a situation(お金の存在がシチュエーションを変えるなんて、おかしなこと)」というオープニング・リリックの内容に自身がなってしまったのだろうか。今後ローリン・ヒルからの声明があれば、そちらからも目を離せない。