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ジョーイ・バッドアスやニプシー・ハッスルなどを発掘した人物が語る。「最初から最高峰になれる才能を持っていた」

 

 

Photo Credit: Cinematic Music Group

 

アーティストが世間に認識されるメインの媒体がSNSの時代になり、ヴァイラルになる機会も増えたが、アーティストを発掘する人材が重要な役割を担っていることには変わりない。ドクター・ドレーがエミネムの才能を見出したり、DiddyがNotorious B.I.G.を世に出す手助けをしたり、フックアップ・カルチャーのあるヒップホップでは、そのアーティストの才能を見出して発掘をした人材から学べることも多い。
今回紹介したいのが、Cinematic Music Groupというレーベルの創設者であるJonny Shipesという人物である。彼は日本でも大人気のJoey Bada$$(ジョーイ・バッドアス)を発掘し、世に出る手助けをした人物であり、ジョーイの他にも他界してしまった伝説ニプシー・ハッスルを発掘し、Big K.R.I.T.、Smoke DZA、Pro Eraなどと契約してきた。そんな彼がDJ Boothにて語ったことを紹介したい。彼はアーティストを世に出す上で重要なことについてこのように語っている。

 

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「全てはアーティストから始まるんだ。彼らが、どれだけの実力を持っているのか?音源上で力強い作品を作ることができるのか?例えば、今までヒットを飛ばしてきたアーティストは、まだそこら辺でラップをしていただけのデモも作ったことない時期でも、ラップを聴いただけで素晴らしい才能がにじみ出ていることがわかる。既に最高峰になれる才能を持っているんだ。後は、彼らを導いて、その良さを引き出してあげる必要がある。彼らのキャリアで、彼らのヴィジョンだから、アーティストが自分でリードをし、自分で選択をさせる。後は彼らの作品が、彼らのヴィジョン通りに完成されるように手を添えてあげるだけだ。楽曲やトラックリストの制作も手伝うし、スタジオにて完成やプロデュースにも立ち会う。」

 

彼は、既に才能が開花しつつあるアーティストにとって、自身でキャリアを決めることが重要であると語った。自分の役割は、アーティストのヴィジョンを完成まで持っていく手助けをすることだという。また、彼はCinematic Music Groupにとって重要な一年間となった時期についても話している。

 

「とても親しいアーティストと仲違いしてしまった時期があった。それから仲直りし、改善したんだ。たまに意見が合わないときがあるだろう。私はそのアーティストに、全ての時間とエネルギーを注いでいたため、彼はレーベル内で唯一成功しているアーティストとなっていた。しかし、全てを注いでいた彼がリリースしなくなった結果、レーベルには何も残っていなかった。とても大変な一年間だったよ。仕事の電話も鳴らなくなったし、忘れ去られてしまうんだ。私はそのときに、また0からスタートさせ、今ブレイク中のアーティストたちと新たに契約をしたんだ。それがYungeen Ace、Flipp Dinero、Luh Kelなどの若手たちだ。そんな状況を耐え、さらに0から始めて前進したという意味では、重要な一年となった。自身の失敗が、自分の今の立場を築くための手助けになったということだ。」

 

彼は全てを注いでいたアーティストがリリースしなくなったとき、レーベルには何も残ってなかったと明かした。そのため、アーティストとの関係性を良好に保つだけではなく、0から再スタートをし、レーベルとしてのポートフォリオを多様化することを学んだという。彼からは才能を発掘する側として、その責任感や業界の流れを自分で作っていく意思を感じ取ることができる。

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