1997年の3月9日に亡くなったNotorious B.I.G.(ノトーリアス・B.I.G.)。今日で彼が亡くなってから25年前が経ったが、ノトーリアス・B.I.G.は90年代に最も影響力を持っていたラッパーの一人として、今でも多くのファンに聴かれている。レイドバックにスイングするラップスタイルと、そのストーリーテリングは高く評価されており、現代でもグレイテスト・ラッパーのリストの上位に入ることが多い。
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ビギーは2Pacの親友としてキャリアをスタートさせたが、やがて彼らの間に生まれた確執は、90年代最大のビーフとして現代も語り継がれている。1994年に2Pacの身に起こった銃撃事件が、Diddyとビギーの仕業だと考えた2Pacは、元々友人であったビギーにディストラック「Hit ‘Em Up」向けたのであったのだ。銃撃事件の直後に、ビギーが「Who Shot Ya?」という曲をリリースしたのもあり、2Pacは敵意を全面的にDiddyとビギーのバッドボーイ・レコーズに向けていた。1996年に、2Pacが銃撃され亡くなり、その半年後にはビギーも銃撃によって亡くなった。そんな彼の生前最後のインタビューを紹介したい。
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➖去年のこの時期、色々なことがあった。色んな噂が出回っていたし、2Pacはあなたに対してディストラックを作っていた。様々なことが起こっているなかで、あなたは予想とは違う立場を取った。アグレッシブに返答をするかと思ったけど、あなたは何も返答をしなかった。なぜですか?
ビギー:自分に対して「口を閉じるんだ」というマインドセットだった。燃料を与えると、単にエスカレートするだけだから、何も言わないようにしていた。彼が俺に対して言っていたことや、疑いは本当のことじゃないし、「本当じゃない!」って内容の曲を作るのも意味がわからないと思ったんだ。本当じゃないなら、単に無視するだけだ。他にもやらないといけないことはたくさんあるし。
➖あのシチュエーションがあってから、現状を見て学んだことはありますか?
ビギー:俺と2Pacが、どれだけ大きな存在であるかを学んだ。俺ら個人の問題が、海岸同士のビーフに発展してしまったんだ。2人の個人がビーフして、西海岸の全員が東海岸を嫌うようになり、その逆もそうだ。「俺はあいつのことが嫌いだから、俺の海岸も全員あいつのことが嫌いだ」という考え方が嫌だった。それによって、自分がいかに大きな存在だったかを思い知った。だからこそ、今はその逆をやりたい。自分の力を使って、「その考え方を終わらせよう」って言わないといけない。なぜなら、2Pacがそれをやって、ビーフを解消することはもうできないから。
だから俺がどちらの海岸にも重きを置かないといけない。だから俺はこうやってここまで出てきて、色んなクラブやラジオに出演している。もちろん俺らのことを変な目で見るやつらもいるけど、そういうやつらの目を見て「俺に対して愛があるって知ってるぜ」って言うんだ。正直になろうぜ。お前らだって『Ready to Die』を持ってるだろ?俺が2Pacとビーフをしてたからと言って、俺のことを嫌いにならないといけないわけじゃない。気になることがあるなら、「どうしたんだよ」って聞いてくれよ。そしたら俺は普通にお前らと話すし。だから俺がビーフを終わらせないといけないんだ。
➖2Pacが亡くなってどう思いましたか?
ビギー:何よりも、ショックだった。2Pacはとても強いやつだ。俺は彼を知っている。非常に強いやつだ。だから撃たれたと聞いたとき、「またか」と思った。何回も撃たれているし、生き延びて、そのことについて何曲か作って、次に進むと思っていた。だから亡くなったと聞いたとき「まじか…」と思ったよ。もちろん俺らの間にはドラマはあったけど、誰かに死んでほしいと思うことなんて絶対にない。死んでしまったら絶対に帰ってこれないから。落ち込んだけど、前に進まないといけないんだ。彼の母や家族にはお悔みを伝えたいけど、前に進まないといけない。俺は今でも彼の存在を感じるよ。全てのラジオでずっと流れているし、彼の曲を聴くと、彼を感じる。だから彼はずっとここにいるよ。
2Pacとのビーフについて、そして自分たちがきっかけで発展してしまった確執を解消したいと語ったビギー。Junior M.A.F.I.A.のLil Ceaseは、以前ビギーから「2Pacからのディスに返答するな」と釘を刺されていたようで、ビギーはビーフ中も個人的に2Pacと話をつけようとしていたと明かされている。このインタビューが実施された後、ビギーはロサンゼルスで銃撃され亡くなった。
(画像=Biggie Speaks On 2Pac’s Death (1997) [The Last Interview])