ヒップホップでは、Greatest of All Time(グレイテスト・オブ・オール・タイム)という言葉が頻繁に使用される。フレーズのアクロニムから「G.O.A.T.(ゴート)」と呼ばれるが、そもそもこの言葉は誰が最初に用いて、広めたのだろうか?今回は、Geniusの動画を元にその起源を紹介したい。
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G.O.A.T.という言葉を最初に広めたのはLL Cool Jであるという意見が一般的ではあり、彼は2000年に同名のアルバムをリリースしている。彼はその3年前の1997年にも「4,3,2,1」という楽曲で、「俺がグレイテスト・オブ・オール・タイムだ」という旨をラップしているが、この言葉は以前からスポーツなどでも使用されていたのだ。
有名な例としては、伝説のストリート・バスケットボール・プレイヤーEarl Manigaultは「The Goat」というニックネームで呼ばれている。彼の名前を使った楽曲もあり、1997年にCommonが「Real N*gga Quotes」にて「Legendary like The Goat, who got game?」とラップしている。
このようにバスケットボールでもGOATという言葉は以前から使用されており、その繋がりでヒップホップでも使用されていたようだが、元プロボクサーであるモハメド・アリも「The Greatest」と呼ばれていた。LL Cool Jは以前、モハメド・アリについて「彼がいなければMama Said Knock You Outは生まれていなかったし、G.O.A.T.という言葉もなかっただろう」とRolling Stoneのインタビューにて話しており、こちらでもスポーツとの繋がりがあるようだ。
その後、「I Get Money (Forbes 1,2,3 Remix)」のJay-Zのヴァースや、Lil’ Kimが「Ms. G.O.A.T.」という楽曲でG.O.A.T.という言葉を広めている。その後もYoung Thugの「Big Racks (Intro)」、Ty Dolla $ignの「Campaign」などでもG.O.A.T.という言葉が登場している。
このようにヒップホップの歴史の中で何度も用いられてきたG.O.A.T.という言葉であるが、今後も、グレイテスト・オブ・オール・タイム誰か?という議論は行われることだろう。その際に、言葉自体の歴史を振り返ってみるとまた面白いかもしれない。
Geniusのフル動画はこちらのリンクからチェック。