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トラヴィス・スコットの「Astroworld」、Cyhi The Prynceが書いたリリックのデモが流出。ヒップホップにおけるゴーストライターの存在やチームで制作する理由

 

 

2019年のグラミー賞にてベストラップアルバムにノミネートされ、各チャートでも1位を獲得したTravis Scott(トラヴィス・スコット)の大ヒットアルバム「Astroworld」。同アルバムにはソングライターとして多数のアーティストやプロデューサーがクレジットされており、その中にはCyhi the Prynceの名前も挙がっている。Cyhi the Prynceは自身がラッパーとして活動する以外にも、名だたるアーティストの作詞やリリックの添削をしていることで知られている。この度、そんなCyhi the Prynceが「Astroworld」のために制作したリリックとラップの一部と思われる音声が流出したことにより、米ヒップホップファンの間で議論が行われている。

 

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ツイッターのユーザーが投稿した動画では、Cyhi the Prynceが書いた「Sicko Mode」と「Coffee Bean」のフレーズをチェックすることができる。Cyhi the Prynceがトラヴィスのリリシズムを添削していたことはクレジットにも表記されており、隠されていたわけではないが、トラヴィスが全てのリリックを自身で書いているわけではないことに対して批判する者もいるようだ。ヒップホップ文化においては、ラッパーのリリシズムやスキルは非常に重要であり、他人にリリックを書いてもらうことをNGとする文化的背景もある。

 

しかしDr. DreやDiddyなどの「プロデューサー」としてキャリアを築いたアーティストたちは、自身でラップを書いていなくても問題がないと考えている人も多く、Eazy-EのようなアイコンもIce CubeやMC Renがリリックを書いていた例もある。

 

現代では、トラヴィス・スコット以外にもドレイク、ニッキー・ミナージュ、Cardi Bなどもチームでリリックを書いているようで、実際にCyhi the Prynce本人も2017年のインタビューにて自身はゴーストライターではなく校正をメインにする「プルーフリーダー」であると明かしている。彼はチームでリリックを書く理由として、「他のジャンルでは一般的であり、競争に勝つためにはチームで制作することが重要」と語っていた。

 

一方でケンドリック・ラマーはゴーストライターを雇うラッパーについてどう思うかと聞かれた際に、「どの分野に自分を入れているかによるかな。俺は自分を「ベストラッパー」と呼んでいる。もし自分でラップを書いていないのであれば、自分をベストラッパーとは呼べない。もし自分が違うタイプのアーティストで、ベストラッパーになるためのアートに興味がないのであれば、素晴らしい音楽を作っている限りはありだと思う。でもベストラッパーというタイトルは、そこにはない。」と語っている。Via Playatuner

 

 

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