The New York Timesが、Drake(ドレイク)についての記事を公開した。タイトルは「現代のラッパーはシンガーに。ドレイクの功績」となっており、「ラッパーが歌うことが一般的になったのはドレイクのおかげ」という内容の記事である。しかしこの記事に対して、反論しているヒップホップファンやアーティストも多い。実際にはドレイクもLittle BrotherのPhonteやOutkastのAndre 3000からの影響を公言していたり、ドレイク以前に「歌うラッパー」というのは多く存在していた。
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その中で、こちらの記事についていち早く反応したのは、先程ドレイクの影響としても挙げられたノースカロライナのベテランヒップホップグループLittle Brotherのメンバー、Phonteである。彼は自分にクレジットがないことに疑問を感じているようだ。
https://twitter.com/phontigallo/status/1199187398367858690?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1199187398367858690&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.okayplayer.com%2Fnews%2Fphonte-drake-ny-times-piece-singing-rappers-reactions.html
https://twitter.com/phontigallo/status/1199189995992616960?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1199189995992616960&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.okayplayer.com%2Fnews%2Fphonte-drake-ny-times-piece-singing-rappers-reactions.html
「俺の存在を消そうとすればするほど、俺は姿を見せる。」
続けて彼は、以下のように語っている。
「俺がやっている音楽で生活が出来て感謝しているし、賞などは俺にとってあまり意味がない。だが、この文化の形を作ってきた人間が息をしている間は、無知なお前らが歴史を改ざんすることを阻止したい」
彼は歴史を作ってきた先人たちにリスペクトを込め、NYタイムズの記事に対してものを申した。
ライターとしても知られる人物であるDavid Dennis Jr.もこの件について、「Cee-Lo GreenはCrazyでヒットしたし、Lil WayneのLollipopとか、OutkastのHey Ya!とか、Lauryn HillのDoo Wopとか、Nellyそのものとかはどうなるんだ」という旨のコメントをしている。
Also as @jsmooth995 said Drake based his whole style on Phonte who blended rap with singing. Also one of Drake's early successes came from rapping over an 808s and Heartbreaks beat which was a whole album of rap's biggest star SINGING
— David Dennis Jr. (@DavidDTSS) November 26, 2019
音楽などにおいて「誰が先駆けか?」というような議論は度々行われるが、もちろんDavid Dennis Jr.が挙げたように、Nellyなどのアーティストも昔から存在してきた。さらにドレイク本人も過去にLittle BrotherだけではなくBone Thugs-N-Harmonyなどからの影響を語っているため、自身がパイオニアとは考えていないだろう。しかし彼が2010年代において、このスタイルの第一人者であることは確かである。
皆さんの好きな歌うラッパーは誰ですか?