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【スラング解説】文脈に注意!「Dope(ドープ)」というスラングの語源などを解説

 

text: Sho Okuda

 

今年はアルバムのリリースこそ無かったものの、Rihanna(リアーナ)との交際やゲーム『サイバーパンク2077』での新曲披露など、依然として話題を振り撒いているのがA$AP Rocky(エイサップ・ロッキー)だ。公私共に充実した様子の彼には、2021年、さらなる活躍が期待できよう。

 

【スラング解説】今日もゆっくり。「Chill(チル)」というスラングを解説

 

そんなRockyは2015年、映画『DOPE/ドープ!!』(原題:Dope)に出演し、チンピラ=ドム役としてなかなかの好演技を見せている。来年も機会があればスクリーンに映る彼を拝みたいところだ。というわけで、今回は”dope”(ドープ)というスラングについて解説したい。

 

 

“Dope”の語源は「濃いソース」?

 

なんと、”dope”の語源は「濃いソース」を意味する蘭単語”doop”だとする説がある。この単語は1800年代前半から様々なグレイビーソースを表す単語として使われていたそうだ。ちなみに、“sauce”というスラングについては、こちらの記事でも解説したとおりである。”dope”はのちに「馬鹿な人」という意味を持つことになるが、我々が現在よく知る意味も先述した「濃いソース」から派生して生まれることとなる。

 

 

意味1:ドラッグ、マリファナ

 

「濃い(ドロッとした)ソース」由来の”dope”だが、「濃い(ドロッとした)」ものといえばソースの他にアヘンが挙げられる(ドロッとしたペースト状のものをパイプに入れて摂取するらしい)。このことから、1880年代には”dope”が「アヘン」の意味で用いられるようになり、次いでコカインやヘロインなど、別のドラッグをも指すようになった。

 

 

ScHoolboy Q – JoHn Muir

 





Pistol on me, dope is in her g-string

ピストルは俺が持ち ヤクは彼女のTバックに

 

 

“dope”はやがて「マリファナ」を意味する単語としても用いられるようになる。

 

 

Playboi Carti – Shoota ft. Lil Uzi Vert

 





You know that I’m smokin’ dope, I’ll be high ’til next week

クサ吸ってんだよ きっと来週までハイだぜ

 

いずれも文脈次第というよりほかにないので、会話の中で出てきて何を指すかが定かでない場合は”You mean …?”と確認したほうがよいだろう。

 

 

意味2:素晴らしい、かっこいい

 

様々な薬物を指して用いられていた”dope”はついに「薬物依存症患者」の意味をも持つようになった。だが、これで終わりではない。”bad”など元来ネガティブな意味の単語がポジティブな意味で用いられることは、下掲の記事でも解説したとおりだ。この”dope”も御多分に漏れず1980年代から「素晴らしい」「かっこいい」といった意味で用いられることになる。

 

【関連記事】獰猛なまでにイケてる?「Savage(サヴィッジ)」というスラングを解説

 

前出の映画『DOPE/ドープ!!』の主人公=マルコムが90年代のラップ・オタクであることからも分かるように、良い意味での”dope”の使用は90年代に全盛を迎えるが、今でも廃れたわけではない。リリース6周年を迎えたばかりのNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)のアルバム『The Pinkprint』から、”dope”を含む1行を紹介して本稿を締め括りたい。

 

 

Nicki Minaj – Feeling Myself ft. Beyoncé

 





 

Cause we dope girls we flawless, we the poster girls for all this

あたしたちはドープな女だから無欠、この全てを象徴する広告塔のような存在

 

参考
dope | Dictionary.com
Genius | Song Lyrics & Knowledge

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