Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)の兄であり、ビリー・アイリッシュ作品の作曲/プロデュースを務めているFinneas O’Connell。FINNEAS(フィニアス)名義でソロ活動もしている彼が、「Creative Breakthroughs」というPitchforkの動画企画にて、自身が手がけてきた楽曲について語った。
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はじめにFINNEASは、ビリー・アイリッシュの楽曲「watch」のスネアについて説明している。彼はマッチに火を点ける音を録音し、スネアの音として使ったと明かしている。同楽曲の中でビリーは「I’ll sit and watch your car burn(あなたの車が燃えていくのを、私は座って眺める)」と歌っており、そこから「マッチに火を点ける音」という着想を得たと語っている。
また、「WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?を制作していたとき、自分たちの決断の中で最も重要だったこと」として、彼は以下のように話している。
「これまでの自分たちとは違い、残酷でダークなイメージの音色を入れたんだ。例えば、”bury a friend”のパーカッションとか、歪んだボーカルや、曲の終わりのクレイジーなアラーム音とか。全体的に、ある意味では耳障りで、不快で、不気味なんだ。また、”listen before i go” は、綺麗で静かな曲なのに、途中でかなり激しめなシンセのベースドロップが入ってくる。Seaboardというキーボードを使った相反するサウンドだ。このような暗いテクスチャーやサウンドを入れたことが、今までの作品との一番の違いだと思う。」
静かな楽曲でも、暗く、残酷なイメージがあるサウンド入れることにより、世界観を作っていったと彼は語った。その不快で不気味さが、多くの人に刺さったのだろう。他にもFINNEASは「多くの人から注目されるきっかけになった楽曲」としてビリー・アイリッシュの「Ocean Eyes」を紹介している。
ビリーは彼女のボーカルについて鮮明なイメージを持っており、かなりこだわってた。何個もハーモニーがあって、何回も重ねて録音したんだ。100トラックを超えるバックグラウンド・ボーカルのレイヤーもたくさんある。7日間くらいボーカルを録音してたかな。俺的には彼女が録音した声はすべて素晴らしかったんだけど、ビリーは「私は声のイメージを正確にわかってる」と言ってて、思い通りのサウンドになるまで録り続けたんだ。
ビリー・アイリッシュは「Ocean Eyes」以外の楽曲でも、多くのボーカルトラックを重ねているようだ。彼らの地道な努力や、独特なアイデアによってヒットソングが生まれたということがわかるエピソードである。