Dr. Dreとインタースコープ・レコードの創設者であるJimmy Iovine(ジミー・アイオヴィン)は、長年ビジネスパートナーとして多くの事業を立ち上げ、成功してきた。実際に多くのアーティストを世に輩出したこと以外にも、Beats by DreやApple Musicの元となるストリーミング・サービスを立ち上げ、音楽業界に計り知れない影響を及ぼした二人である。先日、こちらの二人が語った「違う人種同士が、ビジネスパートナーとして協力することの重要性」という内容を紹介した。British GQによる同インタビューにて、彼らが話していた「現代のアーティストとSNSの話題」が興味深かったため、そちらも紹介をしたい。
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話題はジミー・アイオヴィンがインスタグラムについて語ったことから始まる。彼はこのように語る。
「昔は、作品やアーティストとしての『偉大さ』が知名度より重要だった。しかし今では、その素晴らしい作品を作ることや、アーティストとして偉大であることが、知名度や有名であることより重要でなくなってしまっている。今では、知名度やイイネの数が通貨として扱われるようになった。だから毎日音楽をリリースしたりする人が増えている。全部が素晴らしい作品になるわけがない。それはただのマーケティングだ。そういう意味でも、偉大で素晴らしいアーティストになることよりも、知名度が優先されるようになった。」
Dr. Dreは、その発言を受けて、アーティストのSNS利用について以下のように語っている。
「俺がまだアップカミングなアーティストだったとしたら、SNSが大嫌いだったと思うよ。破壊されてしまう『ミステリアスさ』というか、神秘性がなくなる。俺はアーティストが持つその神秘性が好きだし、アーティストが次にどんな動きを見せるのかを待つのも好きだ。常に、自分がどこにいるか、何をしているのか、これから何をするのか、それを他人に知ってもらう必要はない。これから何が起こるのかわからないし、それを待つというのも、エンターテインメントとして楽しかった。そんな神秘性が音楽にはあった。」
SNSでの活動、さらには偉大なアーティストであることと、マーケティングとして音楽を出すことは違うと語った二人。もちろんそのマーケティングをしないと、自分の偉大さを知ってもらうことはできないということもあるだろう。さらにジミー・アイオヴィンは「年寄りがやっちゃいけないことは二つある。Vネックのシャツを着ることと、インスタグラムをやることだ」と自分のポリシーを語っている。