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J.コール、リル・パンプとのインタヴュー動画を公開

text: HIPHOP DNA

 

新作『KOD』に収録された「1985」が、次世代ラッパーに苦言を呈した内容となり話題になったJ.コール。中でも、「1985」の歌詞はかつて「Fuck J.Cole」なる楽曲を発表したリル・パンプを個人的に攻撃しているのではとの憶測を呼んだが、この度、その両者がインタヴューを行い、J.コールがその様子をYoutuube上で公開した。

 

二人のインタヴューが行われたのは、ノース・カロライナに位置する<The Sheltuh>と呼ばれるJ.コールのスタジオ。『KOD』もここで収録された。ソファに並んだ二人はややぎこちなく握手を交わし、主にJ.コールがリードする形でインタヴューが進んでいった。

 

J.コールはイントロダクション代わりに「もともと、君は俺とフェイスタイム(ヴィデオ通話)がしたかったんだろ?誰かが俺に電話を掛けてきて、(電話を取ったら)君もそこに一緒にいた。フェイスタイムに応じると、きっとスクリーンショットを撮られてツイッターで晒されると思ってさ。正直言うと、ハメられたと思ったんだ。でも電話で君と話すと、”賢いじゃん”と思って。きっとみんなが思うよりスマートなヤツなんだろうと思って、その後(ヒップホップ・フェスの)Rolling Loudで実際に会って確信したよ」とトーク。

 

その後、お互いの幼少期の話や、ラップを始めたきっかけなどの話をし、リル・パンプが「今、17歳で、ラップを始めてからまだ1年半から2年くらい」と答えると、J.コールは非常に驚いた様子を見せていた。また、二人とも幼い時に両親が離婚しており、母親が新しい恋人を連れてきた時の複雑な心境などを語っていた。

 

また、「1985」やヒップホップ・シーンにおいて新たな世代、新たなスタイルが台頭していることに対してコールは「カルチャーの分断が起こっているように思う。新しいタイプのヒップホップを好むのは、ニューウェーヴのキッズ達だ。彼らは若くて、圧倒的に白人が多い」と述べ、「でも俺は間違っていた。俺は怖がっていたんだよな。かつて自分が大好きだったものが今ではあまり人気がなくてリスペクトされていないことを恐れていたんだ(註:本インタヴューの冒頭で、コールは自分がもともと2パックの大ファンであり、彼の死がきっかけでラップを始めたと語っていた)。俺は(新しい世代を)受け入れなきゃいけないのに、抵抗していたんだ」。そして、「俺は電話で話して、そしてこうして今、実際に会ってみてわかったよ。コイツのことが好きだぜ。お前に感謝してるよ」と話した。

 

対してリル・パンプは、中1の頃からウィードを吸い始め、家にウィードの臭いが充満していることで継父と言い合いになることなどを告白し、「前はドラッグもたくさんやっていたけど、今は減らしてる。全部ムダだなって思ったんだ。(ドラッグで)人も死ぬしな」と語った。また、「Fuck J.Cole」という楽曲に関しても「ファンだから作った。お前の曲はハード」と説明し、最後、J.コールに「1985」についてどう思ったかを問われると「一週間前に聴いたばかり。俺は怒っていないぜ」と、話題の楽曲をつい最近になって聴いたことを明かした。「結局、俺は自分のペースでやるだけ。自分のことを、楽しくやるだけさ。たくさんのパワーをもらえたよ。あんたみたいなラッパーが俺のことを話題にするってことは、俺が何かちゃんとしたことをやってる、ってことだろ。おかげで、俺がやってることは正しいと思えたんだ」と締めた。

 

最終的にはJ.コールが、いかに将来的なヴィジョンを見据えた状態でこの業界で仕事をすべきかと説き、インタヴューは終了した。ラッパー同士のビーフに持ち込まず、建設的な話し合いをもって世代の異なる両者が和解した、貴重なインタヴュー動画となっている。

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