先日、最後のアルバムとなる「No Pressure」を公開し、ラップからの引退を表明したLogic(ロジック)。現在は動画配信サイトTwitchと億単位の契約を結び、活発に配信活動を行っている。ラッパーとしてリリースはしないものの、ファンのために無料でビートテープをYouTube上に公開するなど、今までとは違う形で音楽を楽しんでいるようだ。
アメリカのメリーランド州出身で、黒人と白人の両親の間に生まれた彼は、幼い頃から家族の問題や貧困に苦しんできたようだ。彼は自身のバックグラウンドを音楽として昇華することで、多くのファンたちと共鳴してきた。彼は10代の頃から10年強にわたって、ブームバップ調のヒップホップから、メジャーアーティストとコラボしたポップスまで、様々なスタイルの楽曲リリースしている。
彼については大ヒット曲「1-800-273-8255」で知った人も多いだろう。この楽曲においてロジックはメンタルヘルスについて言及しており、タイトルは「全米自殺予防ライフライン」の電話番号となっている。今回は大ヒットした「1-800-273-8255」でロジックを知った方にオススメ楽曲を10曲紹介したい。
Under Pressure
彼のメジャーデビュー・アルバムのタイトル・トラック「Under Pressure」は、9分にも及ぶ大作である。歌詞では、彼が夢を実現するために払ってきた犠牲が語られており、また彼自身の家族の問題についても、兄弟や父親などの視点から言及されている。エグゼキュティブ・プロデュースは大ベテランラッパーCommonと組んでいたNo I.D.が行っている。
Fade Away
こちらは、「宇宙の旅」というSci-Fiチックなコンセプトのセカンド・アルバム「 The Incredible True Story」の2曲目に収録されている。楽曲の最後に収録されている寸劇では、デトロイトの人気ラッパー、Big Seanも登場する。
Everybody
彼の後の作品においては「人種」がメインテーマとなってくる。こちらはアルバム「Everybody」より、彼自身のバイレイシャルというアイデンティティについても言及している楽曲。
Young Jesus
「 The Incredible True Story」収録の楽曲。Sci-Fiチックでシンセが多いアルバムの中で、ブームバップなサウンドの上でロジックのトレードマークとも言えるラップスタイルを披露している。
Metropolis
こちらも「Under Pressure」に収録されている楽曲で、ロジックはこれまでの人生について振り返っている。このアルバムにおいて彼は頻繁に「Nikki」という女性に言及する。最初はまるで彼が恋に落ちているように聞こえるが、アルバムが進行するうちに、「Nikki」とは実はニコチン中毒のことであることが判明する。ビートはBill Withersの楽曲「Use Me」のドラムをサンプリングしている。
All I Do
現在SpotifyやApple Musicなどでは公開されていないミックステープ「Young Sinatra」の収録曲。シンプルでジャジーなビートに、スペイン語を織り交ぜたラップを披露している曲。
Young Sinatra III
同じくミックステープである「Young Sinatra: Undeniable」の収録曲。Nasの「Life’s A Bitch」をサンプリングしており、パンチラインが洗練された1曲。
Everyday
「Bobby Tarantino 2」に収録されている、EDMアーティストMarshmelloとコラボした楽曲。MVでは、ロジック自身が俳優としてオフィスで働く演技が見られる。
Homicide
エミネムとのコラボ曲。早いラップを得意とする二人が、本気でコラボした1曲。
Celebration
ロジックにとって最後のアルバム「No Pressure」の収録曲。彼が今まで築いてきたことを祝福した楽曲。