発表以降、大きく盛り上がっているTravis Scott(トラヴィス・スコット)とマクドナルドのコラボレーション。ファンがマクドナルドのポスターを盗む事件が発生するなど様々な方面で話題になっているコラボであるが、この度、PitchforkのAlphonse Pierre氏が実際にトラヴィス・スコットのセットを試食する記事を公開した。今回はそちらの記事を紹介したい。
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Alphonse Pierre氏は以下のように綴っている。
トラヴィス・スコットがカニエ・ウェストから学んだものの中で最も狡猾なものは、おそらくアメリカの大きな企業や団体から永遠に認められたいという欲望だろう。ついにトラヴィスがインスタグラムにてマクドナルドとのコラボを発表したとき、きっとあなたは自分がシミュレーションの中にいると思ったはずだ。「Cactus Jackがやってくる」。あまり驚かなかった。ラッパーの魂はどのような味がするのだろうか?私はそれを確かめる必要があった。私は火曜日の真昼に、5分かけてマクドナルドに向かった。レストランの扉を開くと、そこには「The Travis Scott Meal」という文字に、ごく普通のハンバーガー、スプライト、フライドポテトとバーベキューソースの写真が添えられた大きなポスターがあった。
レストランの雰囲気は普段の営業通りで、コーヒーを飲む年配の方々や、フライドポテトを買っていく建設作業員たちの姿が見られた。店員がトラヴィス・スコットのレーベル「Cactus Jack」のロゴ入りの制服を着ているという噂があったが、そんなことはなかった。客は「Astroworld」のTシャツを着て、Cactus Jack Jordan 4sを履いた12歳の子供たちではないし、トラヴィスがカウンターの後ろに隠れているということもない。レジの前に立った私は、「Cactus Jackから来ました」と言うにはあまりにも自尊心が強く、あるいは店員の一日をこれ以上酷いものにする気にはなれなかった。「トラヴィス・スコットのセットください」と言った。既に恥ずかしかった。
実際に家に持ち帰り、セットを食べた彼は「トラヴィスがこのセットを実際に食べたとは思えない。」と心境を明かしている。そんなAlphonse Pierre氏であるが、最終的にお腹いっぱいになった彼は眠くなってしまったようだ。「それは物理的に嫌な気分になったからだけではなく、アメリカンドリームとしてセルアウトすることを正当化することに貢献してしまったことからくる罪悪感からであった」と彼は語る。しかし最終的にはこちらのコラボが上手く行くであろうと彼は分析した。「現実的に考えると、奇妙なファッションラインの展開を含むトラヴィス・スコットとマクドナルドの今回のパートナーシップは、それぞれのゴールに向かって一歩を踏み出すためのものである。マクドナルドは若いオーディエンスに人間味を示したく、トラヴィスは人間感を薄めてブランドとして見られたい。きっと、どちらにとっても上手くいくはずだ。」