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社会の実情を示すストーリーを描いたラップ曲5選。2Pac、ケンドリック、XXXTentacionなど。

 

ストーリーテリングはラップにおいて大きな要素である。これらの曲では様々なエンディングが最後に待ち受けているが、ポジティブなストーリーばかりではない。リスナーに社会問題について伝えるために、重い内容について語っているものも多く、映画のようにリスナーの心に残るものとなっている。今回は、数あるストーリー性の高いラップソングの中から、「悲しい終わり方をするラップ」を5つ厳選したので、これらを解説していきたい。

 

2Pac(トゥパック) – “Brenda’s Got a Baby”

 

 

2pacは、自分の子供をゴミ置き場に捨てた12才の少女について新聞で読み、この曲を書くことに決めたようだ。「Brenda’s Got a Baby」は、10代の妊娠と、崩壊している福祉システムをテーマにした曲で、望まない妊娠をしてしまい、子供の世話について思い悩む少女Brendaについての話である。選択肢がなくなってしまったBrendaは、売春によって自分の子供を育てていこうと決める。「だから彼女はセックスを地獄から逃れる術だと思っている/その売春婦が殺されて判明した、名前はBrendaで、彼女には子供がいた」と最後にラップする2pac。実に悲しいエンディングの曲となっている。

 

Slick Rick(スリック・リック) – 「Children’s Story」

 

 

「Children’s Story」は子供たちがおじさん(Slick Rick)に「寝る前にお話しを聞かせて」と言うところから始まる。おじさんが話したのは、道を踏み外したある少年の物語だった。その少年は友達から「金を稼ぐためにひったくりをしないか?」と誘われ、彼らは一回のつもりで犯行に及んだ。少年は簡単に金を稼げることに味をしめ、盗みを繰り返すようになる。
ある日、男性をひったくりしようとしたら、その人はおとり捜査官だったのだ。少年は逃げ回った。そして逃げた先で妊婦を人質にとったが、彼は残っていた良心から自分の過ちを理解し、人質を解放した。しかし、まもなく少年は取り囲まれた警察官に銃殺され、命を落とした。過ち/判断の繰り返しはエスカレートするというメッセージが込められている曲となっている。

 

Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー) – “Keisha’s Song (Her Pain)”

 

 

ケンドリックのデビューアルバム「Section.80」に収録されている楽曲、「Keisha’s Song (Her Pain)」。こちらはKeishaという若い女性が生活費を稼ぐため売春婦になる物語である。彼女の仕事に関して、それが悪い事であるとケンドリックは言っていないが、彼女が売春婦になったバックグラウンドを説明している。曲の最後で、Keishaは客によって殺されてしまう。こちらの曲の続編となる「Sing About Me, I’m Dying of Thirst」は次のアルバムである「good kid, m.A.A.d city」に収録されている。こちらでは、Keishaの兄妹がこの曲にどう反応したかについてが語られている。

 

R.A. the Rugged Man – “Jedi Mind Tricks – Uncommon Valor: A Vietnam Story”

 

 

この曲はベトナム戦争が題材となっており、フィーチャリングされているR.A. the Rugged Manの父親の実話となっている。R.A. the Rugged Manの父親はベトナム戦争時、アメリカ軍に所属しており、ベトナムに派遣されていた。戦争から離脱したいと言っても「臆病者」と非難され、仲間が死んでいくのを目の当たりにしながらも、彼自身も銃撃される。もう長くないと悟った彼は、走馬灯のように今まで会った・戦った人たちを思い出し、天国では皆で平和に暮らせるのかもしれないと考えた。
しかし、彼は意識を取り戻し、自分が生きていることに驚いた。戦争から逃げ出すことはできたので、全てが終わったかと思ったが、米政府がベトナムに撒いた「Agent Orange(高濃度枯葉剤)」の副作用から逃げ出すことはできなかった。自国がばら撒いた枯葉剤は彼の体内に入り、その副作用として彼の子供たち(R.A.の兄弟たち)は、先天障害をもって生まれてきたのだ。2人は2006年と2008年に亡くなっている。戦争は無慈悲であり、絶対にしてはいけないものだ、というメッセージが込められた曲である。

 

XXXTentacion(XXXテンタシオン) – “Jocelyn Flores”

 

 

2017年5月、Jocelyn Floresという名のモデルが、XXXTentacionのアパレルラインのモデルをした数時間後に、自らの命を絶ったという事件があった。この経験はテンタシオンに大きな影響を与えた。この曲は彼女に向けた曲となっており、「I’m in pain, wanna put ten shots in my brain(私は痛みを感じている、10発の銃弾を頭に打ち込んでしまいたい)/I’ve been trippin’ ’bout some things, can’t change(変えることができないことについて悩んでいる)/Suicidal, same time I’m tame(希死念慮がある、でも同時に抑えている)」といった歌詞が登場する。深刻な曲であるが、メンタルヘルスに関する悩みを抱えた多くの人が共感をし、ダブルプラチナ認定された。

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