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ケンドリック所属の<トップ・ドッグ>CEO、Spotifyにヘイト的行為方針を撤回するよう説得した経緯を明かす

2018年5月10日にSpotifyが突然発表した新たなヘイト・コンテンツ/ヘイト的行為に関する新たな方針は、米音楽業界に大きな波紋を広げた。この新方針に基づいてR.ケリー、XXXテンタシオン、そしてTay-Kの楽曲が公式プレイリストから排除されたが、直接影響を受けたアーティストのチームはもとより、多くのレコード・レーベル幹部やアーティストのマネージャーたちは事前に知らされておらず、Spotify内部の上級管理職の中にもこの動きについて知らなかった者がいたことが明らかになった。

 

プレイリストから削除されたこれらのアーティストの音楽は引き続きサービスで聴くことは可能だったが、Spotifyの方針を問題視する業界人たちからは非難の声が上がり、同社はその内容の見直しを迫られた。そして先週XXXテンタシオンの楽曲がプレイリストに復活し、Spotifyはヘイト的行為に関する新方針を撤回すると発表した。

 

ケンドリック・ラマー、スクールボーイQ、シザなどを擁する<トップ・ドッグ・エンターテインメント>のCEO、アンソニー・“トップ・ドッグ”・ティフィスも反対していた一人で、Spotifyが方針を撤回した背景には舞台裏交渉が行われていたことを米ビルボードに明かした。

 

トップ・ドッグは、「俺は向こうのトロイ(・カーター、Spotifyのクリエーター向けサービスの責任者)に連絡して話し合い、(Spotifyの新方針)や検閲に関する自分の考えや、アーティストをそのように扱ってはならないと伝えた」と明かし、「アーティストが検閲されることが良いことだとは思えない。特に自分たちの文化では。どうやって(排除されたアーティストたちを)選んだんだ?どうして他のジャンルや他の違う文化からは選ばれなかったんだ?様々な問題を抱えているアーティストは他にもたくさんいるし、誰を選んでも良かったのに。でも常に標的にされるのはヒップホップ文化だと俺には思える」と述べている。

 

カーターとの意見交換の後、トップ・ドッグはディディ(ショーン・コムズ)やソニー・ミュージックの元社長であるトミー・モトーラとも話し、最終的にそれぞれがSpotifyの創設者でCEOのダニエル・エクと電話で話したそうだ。

 

トップ・ドッグによるとエクは彼の懸念に耳を傾け、改善すると約束してくれたという。その後ヘイト的行為に関する方針が撤回され、XXXテンタシオンの楽曲がプレイリストに復活したが、トップ・ドッグはこれらの動きを評価している。

 

彼はエクとの会話について、「(Spotifyが)やろうとしていたことの意図は良かったんだけど、全然うまく伝わらなかったんだよ」と語っており、これはエクもRecode社のカンファレンスでSpotifyの方針撤回を発表した際、“公開の仕方がまずかった”と認めている。

トップ・ドッグがSpotifyに方針を撤回するよう求めたのは、今後アーティストにとって不利になるような前例を作りたくなかったからだと話している。「検閲は自分たちだけでなく、これから続く世代にも影響を与える。これは未来の為なんだ。音楽を検閲し始めると先行きが危うくなる。アーティストにはアーティストらしく自由に発言させてやる必要がある。それが主な理由だ」と彼は説明している。

 

photo by WireImage
(提供元 Billboard JAPAN

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