2018年10月12日に公開されたHBOスポーツの『The Shop』にドレイクが出演し、息子への思いやカニエ・ウェストらとのビーフについて語った。
NBA選手のレブロン・ジェームズと、彼のビジネス・マネージャーで実業家のマヴェリック・カーター(Maverick Carter)との鼎談形式で進行したトークでは、各自が育った家庭環境や父親の話からドレイクの生まれたばかりの息子の話題に移り、彼は相手の女性との距離感や息子との関係についてフランクに語っている。
ドレイクは、「俺は、色々あった女性とどうコミュニケーションを取ればいいのか学んでいるシングル・ファーザーなんだ。いつか息子には何があったのか説明したいとは思っているけれど、彼に母親を愛さないでほしいなんて全く思わない」と述べ、「(相手の女性と自分は)ある状況に陥ったわけだけど、二人とも同じように責任がある。今は最高の父親になれることが嬉しくて仕方ない」と、息子の写真を二人に見せながら思いを語っている。
また、カニエ一派のプシャ・Tとの揉め事についてこれまで公に語っていなかったドレイクは、関係がこじれた経緯を詳細に説明している。彼は一時期米ワイオミング州ジャクソンホールにあるカニエのスタジオに招かれ一緒に仕事をしていたが、当時まだ公表していなかった息子のことや自身のニュー・アルバム『スコーピオン』のリリース情報などを伝えた辺りからカニエが妙な行動に出始めた為、距離を置くことにしたそうだ。
彼は、「ワイオミングにいた。“3月14日”を(カニエに)聴かせた。息子の写真を送った。息子の母親と揉めていることも教えた。彼と会話をして、自分のことを伝えた」と明かし、その直後に『スコーピオン』のリリース日を囲むようにカニエが自分絡みのアルバムをリリースすることを発表したと話している。
「ああ、俺は喧嘩をふっかけられてるんだって気付いた。こいつは俺を操ろうとしてるんだ、“お前を破壊してやる”って意味なんだって。だからまた距離を置くことにした」とドレイクは振り返っている。
案の定カニエ絡みのリリース第1弾だったプシャ・Tのアルバム『DAYTONA』には「Infrared」という、ドレイクがゴースト・ライターを使っていると主張するディス・トラックが収録されていたが、これに彼はアンサー・トラック「Duppy Freestyle」で応戦した。ところがその後にプシャがリリースした、隠し子騒動に言及した「The Story of Adidon」にドレイクは反応しなかった。
その理由について彼は、「自分の子どものことを突いてくるのは見えていた。無関心の父親像を放り込めばもっとウケるからさ」と語っており、怒りを感じたのは実はそこではなかったと説明している。「俺たち(ラッパー)は競争心によって繁栄している。ラップ純粋主義者どもや、対立が好きなだけのやつらは、“そこにルールなんてない”って言うけど、ルールはあるんだ」と彼は語り、自分の家族や息子についてディスられたことよりも、多発性硬化症を患っている友人でミュージック・プロデューサーのNoah “40” Shebibが“死ね”と言われたことは完全に一線を超えていたと憤っている。
彼によると、アンサー・トラックは一応用意していたものの、その内容があまりにも最低だったことからリリースを思いとどまったそうだ。反応することでこれ以上相手に注目が集まるのを避けたかったとも彼は話している。「あの曲(“The Story of Adidon”)はゴミだったけど、チェスの一手としては天才的だったよ。俺は追い詰められて、より最低なものを出すか、引くかしかなく、自分の鎧にキズが永遠につくことになったんだ。ラップ純粋主義者から見ればね」と彼は語っており、「でもそれでいい。俺はそのエネルギーを相手ではなく、自分に注いだんだ」と説明している。
◎インタビュー映像
Photo by Drake: Getty Images Entertainment / Kanye West: WireImage
(提供元:Billboard JAPAN )