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デ・ラ・ソウル、ストリーミング解禁延期も版権所有者と話し合い進まず

 

 

デ・ラ・ソウルの版権の大部分を所有する<Tommy Boy Music>が、1stから6thアルバムまでを含む彼らの楽曲のストリーミング解禁を延期すると決定した。米誌Varietyが2019年2月28日に伝えたもので、デビュー作『スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング』が3月3日に30周年を迎えた彼らにとって、延期の決定は朗報だ。

 

これは<Tommy Boy Music>が提示してきた、“不平等で不当な条件”にグループが納得していないことが原因の一つで、これまでも彼らの音楽が大ヒットしていたにもかかわらず、創設者でCEOのトム・シルバーマン(Tom Silverman)が収益の90%を得ていたため、グループ側にほとんど還元されていなかったというのだ。

 

米ビルボードに対しメンバーのメイスは、「(シルバーマンに)ずっと伝えてきた。彼は長い間俺たちを無視し続けてきたくせに、(ストリーミング解禁)直前になった途端、問題なく事が運ぶよう俺たちにすんなり賛成するよう要求してきた。ようやく問題に取り組むかと思ったら、彼がこうあるべきと思っていることに変化がなかった。“それが慣習だから”とか“それが標準だから”というような言葉を使ってたよ」と明かしている。

 

デ・ラ・ソウルが不当な利益配分について声を上げると、ジェイ・Zは自身のストリーミング・サービスTIDALで彼らの音楽を解禁しないことを決定した。メンバーのポスは、「これは勝利だ。(ヒップホップ)カルチャーにおける俺らの意味を理解し、支持してくれる人(がいてくれるのは)最高だ。たとえそれが俺らにとって大切で親しいQティップみたいなやつだろうが、俺らの創作上の動きを高く評価してくれるけれど、同じ部屋で3回くらいしか一緒になったことがないジェイ・Zのような人物だろうが(関係ない)。“文化的(な側面から)彼らの立場を理解し支持する”と感じてもらえることだってあるんだ」と語っている。

 

ジェイ・Zが、「(デ・ラ・ソウルは)何をしようとしているんだ?」と尋ねていたとTIDALの担当者から聞かされたメイスは、「正直言って複雑な気持ちだったよ。力を持つ黒人の現状という観点からは、(TIDALに)俺たちの音楽で儲けてほしい気持ちがあった」と述べ、「競合会社とか、みんなが毎日ストリーミングでどれだけ稼いでいるか考えたら、ジェイ・Zに俺たちの音楽で成功して、競合会社に立ち向かってほしいと思うよ。だってTIDALだぜ?あれは素晴らしい功績だよ、(ジェイ・Zやメイスたちの)出自や、この文化の一員であるという意味では特にね。だからTIDALが解禁しなかったのは大きな意味を持つ」と語っている。

 

ナズやクエストラヴなどのアーティストもデ・ラ・ソウルへの支持を表明したことから、ようやくシルバーマンがグループと解決に向けて動くと期待されたが、メンバーによると進展はないそうだ。

 

また、デ・ラ・ソウルの初期作品はサンプルの多さがネックとなり、すべての許可を得るのが不可能に近いことから、これまでストリーミングで公開できなかった経緯がある。今回のストリーミング解禁の話が持ち上がった際も、サンプルの許可を取ったのかとシルバーマンに確認したが、返事をはぐらかされているとメイスが語っている。

 

「サンプリングに関しては俺らは要注意人物扱いされている。著作権犯罪者と見なされているんだ」と言うメイスは、シルバーマンに対してサンプルの許可は取ったのかと再三確認したものの、「彼は電話で、“何かあれば、これまでと同じ方法で対応する”と言った。それがどういう意味か俺にはわかるんだけど、裁判沙汰になったら示談になるんだよ、俺らが悪いんだから。“俺ら”って言っているのは、(デ・ラ・ソウルもイメージ低下の)損害を受けるからね」と語っている。

 

シルバーマンは、1980年代後半にデ・ラ・ソウルと契約し、1st『スリー・フィート・ハイ・アンド・ライジング』と2nd『デ・ラ・ソウル・イズ・デッド』を<Tommy Boy Music>からリリースした。

 

デ・ラ・ソウルは今年、DJプレミアとピート・ロックがプロデュースした10thアルバムを<Mass Appeal>からリリースする予定だ。

 

Photo By FilmMagic, Inc

(提供元:Billboard JAPAN

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