ポスト・マローンの新作 『ビアボングス&ベントレーズ』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
先週1位に初登場した、J.コールの新作『KOD』が初動397,000ユニットを獲得し、2018年の集計としては最高記録を更新したばかりだが、本作『ビアボングス&ベントレーズ』はその記録を大きく上回る初動ユニット461,000を獲得し、たった1週でその記録を更新した。
461,000ユニットの内訳、アルバムの純粋な売上は153,000枚、ストリーミングによるポイントが288,000。ストリーミングによるユニット数としても今年最高で、視聴回数は1週で4億2310万を記録。この記録は、2017年4月8日付チャートで1位に輝いた、ドレイクの『モア・ライフ』が獲得した3億8480万回を1億回近く上回っている。
尚、『モア・ライフ』の初動ユニットは505,000で、そのうちストリーミングによるポイントは257,000。ストリーミングでは、あのドレイクがもつ記録を超えたという快挙を達成した。大ヒットの要因としては、米ビルボード・ソング・チャート(HOT100)8週連続1位をマークした「ロックスターfeat.21サヴェージ」と、最高2位をマークした「サイコfeat.タイ・ダラー・サイン」 の大ヒットが挙げられる。
デビュー作『ストーニー』からも、「ホワイト・アイバーソン」(14位)、「コングラチュレーションズ (feat.クエヴォ)」(8位)、「アイ・フォール・アパート」(16位)などのヒットが生まれ、アルバムも200万ユニットを超える大ヒットとなった。『ストーニー』は、2016年末のリリースから1年半近く、TOP30位内にランクインし続け、本作『ビアボングス&ベントレーズ』の大ヒットを受け、今週のアルバム・チャートでは、先週の11位から9位に再びTOP10入りしている。
2位にデビューした、キース・アーバンの新作『グラフィティ・U』は、初動145,000ユニットのうち、アルバムの売上は137,000枚と、ほとんどがセールス・ポイントによるものだった。本作は、2016年5月にリリースした『リップコード』(最高4位)から2年振り、通算10作目のスタジオ・アルバムで、2004年発売の4thアルバムの『ビー・ヒア』から7作連続のTOP10入り(うち2作が1位)、カントリー・アルバム・チャートでは6作目のNo.1獲得を果たした。初動ユニット数としては決して悪い数字ではないが、対抗馬が強すぎた。
先週首位デビューしたJ・コールの『KOD』は3位にダウンしたが、今週も105,000ユニットを獲得し、2週目で累計50万ユニットを突破している。カーディ・Bの『インベージョン・オブ・プライバシー』は71,000ユニットで4位に、『グレイテスト・ショーマン』のサウンドトラックは55,000ユニットで5位にそれぞれダウンした。
R&Bシンガー、ジャネール・モネイの新作 『ダーティー・コンピューター』は6位に初登場。R&B/ヒップホップ系のアルバムとしては珍しく、54,000ユニットのうち41,000枚がアルバムの売上で、セールス・ポイントがユニット数の大半を占めている。本作は、2013年リリースの2ndアルバム『ジ・エレクトリック・レディ』から4年半振り、3作目のスタジオ・アルバムで、その前作が獲得した最高5位には及ばなかったが、2作連続のTOP10入りとなった。UKチャートでは、自身初のTOP10入り(8位)を果たしている。
7位に初登場したのは、米ルイジアナ州バトンルージュ出身の若手ラッパー=ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲインのデビュー・アルバム『アンティル・デス・コール・マイ・ネーム』。2015年から、10作以上のミックステープをリリースしてきたが、スタジオ・アルバムとしては本作が初となる。初動ユニットは43,000で、ストリーミングによるポイントが34,000、アルバムの売上はわずか8,000枚だった。
本作からは、HOT100で31位、R&B18位、ラップ・チャート14位をマークした「アウトサイド・トゥデイ」が大ヒット。続く「ダイヤモンド・ティース・サムライ」もチャートを上昇中で、ラップ・チャートでは25位までランクアップしている。発砲や暴行事件、逮捕歴など私生活では何かとトラブルの絶えない18歳の新人だが、強烈なインパクト含め、今後の活躍が期待できそうなアーティストではある。
米ボストン出身の4人組メタルバンド=ゴッドスマックのニュー・アルバム『ホエン・レジェンズ・ライズ』は8位にデビューし、6作連続のTOP10入りを果たした。2003年リリースの3rdアルバム『フェイスレス』から3作連続でNo.1を獲得したが、2014年の前作『1000hp』は最高3位に留まり、本作では更に順位を落としている。初動ユニット数は40,000で、アルバムの売上枚数は36,000枚だった。
Text:本家一成
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ビアボングス&ベントレーズ』ポスト・マローン
2位『グラフィティ・U』キース・アーバン
3位『KOD』J.コール
4位『インベージョン・オブ・プライバシー』カーディ・B
5位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
6位『ダーティー・コンピューター』ジャネール・モネイ
7位『アンティル・デス・コール・マイ・ネーム』ヤングボーイ・ネヴァー・ブローク・アゲイン
8位『ホエン・レジェンズ・ライズ』ゴッドスマック
9位『ストーニー』ポスト・マローン
10位『リアビュー・タウン』ジェイソン・アルディーン
(提供元 Billboard JAPAN)