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セカンドキャリアでリブランディングに成功したラッパー5人。俳優から投資家まで。

 

 

ラップで成功を収め、引退した後どのように生きるのか。スポーツの世界でもそうであるが、現役を引退した後にどのようにセカンドキャリアを生きるか悩む人は多いだろう。ここでは、ラップで成功した後、素晴らしいセカンドキャリアを打ち立てることに成功したラッパーを5人紹介したい。

 

Will Smith(ウィル・スミス)





19歳という若さで「Parents Just Don’t Understand」をリリースし、大成功を収めたウィル・スミス。しかし、次のアルバムが全く売れず、税金を支払うこともできないほどに追い詰められてしまった。彼はその状況からどうやって脱したのかについて、以下の動画で語っている。

 





 

ある日、とあるトーク・ショーに赴き、ワーナー・ブラザーズのA&RのVPに出会ったウィル。そして彼の紹介で、急遽伝説のプロデューサーQuincy Jonesの家に行くこととなった。到着するとそこには、俳優、アーティスト、政治家などの著名人が集まっていた。そこでQuincyに声をかけられ、その場でオーディションさせられることになったウィル。そしてこれに見事合格し、俳優経験なしの状態で、いきなりとある番組の主役を務めることとなった。これこそが、ウィル・スミスの再ブレイクのきっかけとなった番組「The Fresh Prince of Bel-Air(ベルエアのフレッシュ・プリンス)」である。

 

この番組がきっかけとなり、7年後にはハリウッドで最も利益を生む映画俳優になったウィル。ラッパーよりも役者として稼いだことからも、彼はセカンドキャリアを最も見事に打ち立てたラッパーの一人であると言えるだろう。

 

 

Joe Budden(ジョー・バドゥン)

2000年代初頭に、東海岸を牽引する次世代のラッパーとしての頭角を表し始めていたジョー・バドゥン。しかし、自身が所属するグループSlaughterhouseのアルバムも大成功はせず、ラッパーとしてのキャリアはその後伸び悩むこととなった。

 





 

しかし、2015年に友人と共に「I’ll Name This Podcast Later」というポッドキャストを始めたジョー・バドゥン。その後2017年からその翌年にかけて、コンプレックスの人気番組「Everyday Struggle」の司会を務め、2018年には自身のThe Joe Budden Podcastをスタートさせた。Spotifyにおける専属配信の契約を結んだだけではなく、Diddyが創ったテレビ局Revolt TVにおいて、「State of the Culture」という新シリーズのMCとして抜擢された。今となってはラッパーよりも「文化コメンテーター」として知られていることこそが、彼がリブランディングに大成功したことを示している。

 

 

50 Cent(50セント)

50セントが2014年に、5枚目のアルバムとなる「Animal Ambition」をリリースした頃には、ラップのトレンドはギャングスタ-・ラップからサウンドクラウドをベースとしたテイストにシフトしていた。50セントはこれを受け、テレビ番組制作にエネルギーを向けることにしたようだ。自らエグゼクティブ・プロデューサー兼主役として「Power 」という番組に取り組んだ50セント。この番組は局において最も高い視聴率を誇る番組の一つとなり、6シーズンにわたって放映された。その後、「For Life」という、ある人が冤罪に問われた後弁護士になるという、実話に基づいたテレビ番組をエグゼクティブ・プロデュースした。

 

 

今年に入ってからは、デトロイトにてドラッグの流通と資金洗浄を行っていた「Black Mafia Family」という組織についての番組にも関わっていると報道されている。

 

 

Lil Jon(リル・ジョン)

1990年代後半から2000年代にかけて、「Lil Jon and The Eastside Boyz」として活動していたリル・ジョン。プロデューサーとしては大ヒット曲を度々世に出していたが、グループとして最後のアルバム「Crunk Juice」と、自身のデビューアルバム「Crunk Rock」をリリースした後、原点に立ち返ることを決めたようだ。

 

トラックメーカーになる前はDJとして活動していたリル・ジョン。少なくともパンデミックが起こるまでは、DJとして世界中を周っていたようだ。Forbesによると、ヒップホップ・バンドThe RootsのQuestloveや、Lil Jonなどのレベルになると、DJセット一度につき20万から40万ドルほどのギャラが出るようなので、彼にとってこれは大きな収入源となっているのだろう。以下は、彼のDJセットの様子である。

 





これが彼の「セカンドキャリア」と言えるかはわからないが、元々プロデューサーとして活躍していた彼が、今は主にDJをしているというのは、大きな変化である。

 

 

Chamillionare(カミリオネア)

Ridin’などの曲でヒットし、2000年代後半に一役ラップスターとなったカミリオネア。彼は現在カミリタリー・エンターテインメントというレコード・レーベルのCEOであることに加え、ベンチャーキャピタリスト(Venture Capitalist, VC)としても活動している。VCとは、今後成長が見込まれる企業に投資し、その成長を促す職業である。資金提供をすることで株式を取得し、企業が成長した際にその差分で儲けを得る形でビジネスを行っている。彼は2015年にLAにあるVC「Upfront Ventures」に加入し、既に実績を残している。

 





 

こちらのインタビューによると、2000年代に「投資家」という職に興味を持ち始め、IT系のカンファレンスに参加するようになったようだ。彼が投資したMakers Studioという会社は評価額1000億ほどでディズニーに買収されたようで、既に大きな儲けを出せたようである。Jay-ZもVCとして活動していることが知られている。

 

こうしたリブランディングを通して、活躍し続けている(元)ラッパーたちの今後の動向に注目である。

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