新アルバム「Donda」のリリース予定日が度々変更され、3度目のリスニング・パーティーが行われることが連日話題になっているKanye West(カニエ・ウェスト)。彼が2019年にリリースしたアルバム「JESUS IS KING」もリリースが数回遅延しており、作品が無事に公開されるか不安に思っていた人もいるだろう。アルバムを公開する度にその作品そのものだけでなく、リリースまでの経緯も話題になってきたカニエであるが、彼が各アルバムを発表した当時のことを、XXLの記事を参考におさらいしたい。
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The College Dropout (2004年)
カニエのデビューアルバム。当時プロデューサーとして活動していたカニエは、ある日レコーディングの帰り道、運転中に居眠りをしてしまったことが原因で、衝突事故に遭ってしまう。大事故の結果、彼の顎は砕けてしまい、口にワイヤーが縫い付けられた状態での生活を余儀なくされた。
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2014年に、Interview Magazineにてカニエは「音楽プロデューサーとして活動している俺に、俺がラッパーとして出る幕はないと言う人は多かった。しかし、あの事故がきっかけで俺は本当にやりたいことをやる機会を得た。」という旨を語っている。カニエはその状況でアルバムの1stシングル「Through the Wire」を書き、顎がワイヤーで縫い付けられた状態でレコーディングをした。
Late Registration(2005年)
こちらのアルバムが公開される4ヶ月ほど前に、Jay-Zが参加した「Diamonds From Sierra Leone」がHot 97で放送された。当時のラッパーたちにとってHot 97で楽曲が放送されるのは最高の機会で、彼はMTVの「Total Request Live」でもスポットライトを浴びたのだ。このような出来事が影響し、カニエは7月にリリースする予定だったアルバムを1ヶ月ずらし、ヴィジュアルが公開される日にリリースを合わせた。こうして、カニエは「Late Registration」を8月30日にリリースしたのである。
Graduation(2007年)
2007年の夏頃、Def Jam Recordings(デフ・ジャム・レコーディングス)は「Graduation」のリリース予定日を9月11日に変更した。50 Centの3rdアルバム「Curtis」のリリース予定日と被せ、レーベルは話題作りのために彼らの初週売上を競わせたのだった。
お互いのアルバムがリリースされるまでの数ヶ月、彼らの作品に対する期待は高まっていた。50 Centは「カニエのアルバムが俺より売れたらラップを引退する」と声明を発表したが、後に取り下げている。カニエはアメリカ国内だけでなく、イギリスでもプロモーションを行っており、ロンドンのウェストミンスター・セントラルホールでシークレット・リスニング・パーティーを開催した。報道によると、こちらのリスニング・パーティーのスタッフはアルバム名にちなんで、卒業式のガウンを着用しており、コンサートが開始する際には紙吹雪が降り注いだようだ。
結果的に「Graduation」の初週売上は約957,000枚、「Curtis」は約691,000枚となり、アルバムの売上ではカニエに軍配が上がった。
808s & Heartbreak(2008年)
2008年に、母親であるDonda West(ドンダ・ウェスト)氏を亡くしたカニエ。彼は同年に、長年交際していた婚約者のアレクシス・ファイファーとも破局しており、カニエは孤独の中にいた。この経験が、彼の楽曲制作にも影響を与えたのである。
「808s & Heartbreak」は今までの3枚とはサウンド的にも変化があり、カニエにとっても挑戦的な作品だった。「Late Registration」などではソウルのサンプリングを用いた「チップマンク・ソウル」的なサウンドを多用していたカニエだったが、今作では彼はラップだけでなく、オートチューンを用いた歌唱スタイルも取り入れている。
カニエはシングル曲「Love Lockdown」をリリース2ヶ月前にMTVのビデオ・ミュージック・アワードで公開しており、ハートのペンダントがラペルについたグレーのスーツに身を包んだ彼のエモーショナルなパフォーマンスは観客を魅了した。こちらの楽曲は、今はなきカニエのブログ「kanyeuniversecity.com」で無料配信されていた。
【後編】はこちらのリンクからチェック。