ヒップホップの名作コラボアルバムといえば、どのような作品を思い浮かべるだろうか?ラッパー同士のジョイントアルバムや、ラッパーとプロデューサーのパートナーなど様々なものがあるが、ヒップホップの歴史の中では「Mos Def & Talib Kweli Are Black Star」、「Madvillainy」、「Watch The Throne」などの名作が多く存在する。今回はXXLの記事に追加をし、名作コラボアルバムをいくつか紹介したい。
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Mos Def & Talib Kweli – Mos Def & Talib Kweli Are Black Star (1998年)
伝説の黒人企業家であり指導者であったマーカス・ガーベイが設立した貿易会社「ブラック・スター・ライン」をレファレンスしたグループ名とタイトルとなっており、「Black Star」は今でも名プロジェクトとして語りつがれている。
Method Man & Redman – Blackout! (1999年)
グランジーなメロディに加えて遊び心のあるストーリーテリングなどが印象的なアルバム。特にErick Sermonがプロデュースした楽曲「Y.O.U.」ではMethod ManとRedmanのカリスマ的なキャラクターが光っている。
Talib Kweli & Hi-Tek – Train of Thought (2000年)
ベテランHi-Tekと、先程紹介した「Black Star」のTalib Kweliのコラボプロジェクト。こちらのアルバムがリリースされた当時のTalib KweliとHi-Tekはアンダーグラウンド・ヒップホップを代表する存在だったため、「Train of Thought」のリリースも話題になった。
MF Doom & Madlib – Madvillainy (2004年)
https://www.youtube.com/watch?v=ewc1hixzYPY
MF DoomとMadlibの名作コラボアルバム。ベテランラッパーとプロデューサーがタッグを組み成功を収めた代表例である。
Lil Boosie & Webbie – Gangsta Musik (2004年)
「Ghetto Stories」に引き続き、さらに良い作品をリリースしたLil BoosieとWebbieの二人。シングル曲「Swerve」など要チェックである。
Birdman & Lil Wayne – Like Father, Like Son (2006年)
タイトルの通り、父と子のような関係であったBirdmanとLil Wayneのコラボプロジェクト。二人のそれぞれのスタイルや、2人の関係を具現化したような作品になっている。
Blu & Exile – Below the Heavens (2007年)
BluとExileによるヒップホップデュオ「Blu & Exile」のデビューアルバム。「Below the Heavens」はPopMattersの「2007年のベストアルバム」にて56位にランクインした他、HipHopDXの「2000年代のベストアンダーグラウンドヒップホップアルバム30選」にも選ばれている。
DJ Quik & Kurupt – BlaQKout (2009年)
DJ QuikとKuruptによるアルバム。レゲエ調の「Exodus」や、Tony! Toni! Toné!の「Anniversary」を使用した「Do You Know」など、幅広い作風を披露している。
Freeway & Jake One – The Stimulus Package (2010年)
「Throw Your Hands Up」、「Know What I Mean」、「One Thing」など人気曲が多数収録されているアルバムであるが、後半の「Free People」なども注目されている。1時間近くある17曲入りのプロジェクト。
Nas & Damian Marley – Distant Relatives (2010年)
リリースから今年で10年経ったコラボアルバム。BillboardのR&B/ヒップホップチャートで1位を獲得するなど、当時から高い評価を受けている。
Eminem & Royce 5’9 – Hell: The Sequel (2011年)
こちらの作品もBillboard200チャートにて1位を獲得しており、ゴールド認定もされている名コラボとして知られている。長年のコラボレーターである二人がようやくジョイントアルバムをリリースした。
Jay-Z & Kanye West – Watch The Throne (2011年)
Jay-ZとKanye West以外にも多くの豪華アーティストが参加したマスターピース。「Watch The Throne」はグラミー賞にもノミネートされた。
Snoop Dogg & Dâm-Funk – 7 Days of Funk(2013年)
スヌープ・ドッグとDâm-Funkが7 Days of Funk名義でリリースしたモダン・ファンクの名盤。Tha Dogg Poundもアルバムに参加している。
Royce 5’9” & DJ Premier – PRhyme (2014年)
Ab-Soul、Mac Miller、Common、Jay Electronicaなど、ゲストアーティストも豪華なアルバム。コラボプロジェクトと同じくグループ名も「PRhyme」である。
Kanye West & Kid Cudi – Kids See Ghosts (2018年)
村上隆がアートワークを手がけたことにより、日本でも話題になったこちらの作品。当時カニエが連続でリリースした7曲入りアルバムの一つである。
Freddie Gibbs & Madlib – Bandana (2019年)
「Piñata」に引き続きリリースされた名作アルバム。ビートがすべてiPadで制作されたことや、故Nipsey Hussle(ニプシー・ハッスル)の「Victory Lap」と同じ時期に同じスタジオで制作されたことなど、逸話の多い名プロジェクトである。飛ぶ鳥を落とす勢いでトップラッパーに上り詰めているFreddie Gibbsのリリシズムが光っている。