共感覚という言葉をご存知だろうか?共感覚とは、Wikipediaの共感覚ページをそのまま引用すると「ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう。 例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする」ということである。
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Duke Ellingtonは、Dの音がダークブルーのバーラップ、Gは明るいブルーのサテンのように感じていたと言われており、ヒップホップアーティストのなかにも共感覚を持っている者も多い。ファレル・ウィリアムスは幼少期にEarth, Wind & Fireを聞き、ブルゴーニュのような色と明るい青色を視たらしく、カニエ・ウェストもピアノを青、スネアを白に感じると語っている。このようにヒップホップの世界でも、レジェンド級のプロデューサーたちは音に色を感じる人が多いようだ。PitchforkによるとStevie Wonder、Billy Joel、Mary J. Blige、Dev Hynesは共感覚者であると言われているようだ。
共感覚を持った者はたとえば特定の音色や音符に色を感じたり、香水の匂いから音を聞いたり、文字に味を感じたりすることがある。アメリカ共感覚協会の共同創設者であるCarol Steenによるとこのような共感覚は少なくとも60種類以上の組み合わせがあるようで、人間の4%に備わっているという研究もあるようだ。感覚が結合されることについては17世紀の哲学者ジョン・ロックも記述していたが、1800年代半ばまで「共感覚」という言葉は使われてこなかったとされている。
レジェンド以外にも、若手ヒップホップアーティストにも共感覚を持っている者はもちろんいるだろう。公表しているアーティストが他にもいたら、是非この記事ツイートにリプライを送って頂きたい。
参考:Pitchfork, Playatuner