ヒップホップの生誕から今年で48年になる。「黄金期」と呼ばれる時代から20年以上が経っているということもあり、現代の若手アーティストがヒップホップのレジェンドを知らずに育ったということも珍しくはない。そんな新世代のアーティストについて、伝説のグループWu-Tang Clan(ウータン・クラン)のメンバーであるGhostface Killah(ゴーストフェイス・キラ)が語った内容を紹介したい。
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Ghostface KillahはVultureのインタビューにて以下のように語っている。
「俺は若い黒人の子たちがお金を稼ぎ、好きなことをしているのを全面的に支持するよ。ただ音楽面の話をすると、今の時代にラッパーになるには、その歴史を知るべきだと俺は思う。Spoonie GeeやThe Sugarhill Gang、ウータンやビギー、Grand Pubaなど、彼らが誰だったのかを今だから知る必要があるということだ。モブ・ディープ、Nas、ウータン、JAY-Zなど、素晴らしくまとまった作品たちがある。最近は1曲だけが流行って、アルバムの他の収録曲はどうでもいい扱いを受けることも多い。」
現代の若手ラッパーの活動を全面的に支持しているとした上で、アルバムというまとまった作品を作ることの重要性を語ったGhostface Killah。彼は以下のように続けている。
「本当に才能を持っている若者たちも多い。しかし今の世代を見ていて、その才能が理解できないこともあるかもしれない。もし自分がアーティストなのであれば、積極的に全てを聴いてみるという姿勢であるべきだ。若い子たちのサウンドが理解できるようになるまで、最初は俺も時間がかかったよ。」
バスタ・ライムスも以前「新しい世代のアーティストたちが正しく経験するべきことだ」と、アルバム制作の重要性について語っていた。インターネットやSNSが発達し、今ではインスタントに反応できるものが拡散されるため、ヴァイラルになるような曲が増えていくのは自然の流れであるが、そのような時代だからこそ作品としてのアルバム制作が重要視されるのかもしれない。