フューチャーの新作『Future Hndrxx Presents: The Wizrd』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
週間126,000ユニットを獲得した本作は、内訳15,000枚がアルバム・セールス、109,000ユニットがストリーミングによるもので、 総ユニット数のほとんどがストリーミングによるものだった。ここ1年間で首位を獲得したラッパーのアルバムは、ほとんどがその傾向にある。週間視聴回数は1億4,360万回で、20曲という曲数の多さもストリーミング・ポイントが高かった理由として挙げられる。
Billboard 200での首位獲得は、2015年8月にリリースした3rdアルバム『DS2』から5作連続、ドレイクとのコラボ・ミックステープ『ホワット・ア・タイム・トゥ・ビー・アライヴ』(2015年)を含めると、通算6作目となる。なお、2017年2月17日リリースの5thアルバム『フューチャー』、そして翌2月24日リリースの6thアルバム『Hndrxx』はいずれもNo.1デビューしていて、ビルボード史上異なる2枚のアルバムを2週連続で首位に送り込んだのは、フューチャーだけが達成した快挙。
フューチャーは、2015年8月から2019年1月までのたった3年5か月で、6枚のアルバムを首位に送り込んでいるが、それをわずかに上回る記録をもつのがエルトン・ジョンで、1972年7月15日付チャートで初の1位を獲得した『ホンキー・シャトー』から、1975年11月8日付チャートでNo.1に輝いた『ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ』までの3年3か月間で、6作品を首位に送り込んでいる。
続いて2位にデビューしたのは、米ブルックリンの女性シンガーソングライター=マギー・ロジャースのメジャー・デビュー・アルバム『ハード・イット・イン・ア・パスト・ライフ』。週間ユニット数は49,000で、首位のフューチャーとは大差がついたが、アルバム・セールスは37,000枚と倍以上を売り上げ、セールス・チャートでは堂々の首位デビューを果たしている。本作のヒット要因としては、ライブ・チケットの販売特典(還元)が挙げられる。
マギー・ロジャースは、インディー・レーベルから『ザ・エコー』(2012年)、『ブラッド・バレエ』(2014年)の2枚のアルバムをリリースしているが、いずれも同チャートではランクインせず、2017年2月に発表したEP盤『ナウ・ザット・ザ・ライト・イズ・フェイディング』も、トップ・ヒートシーカーズ・チャートでは4位まで上昇したが、Billboard 200にはランクインしなかった。したがって、本作が彼女にとっての初のランクインにして、TOP10入りとなる。
上位2者の登場により、先週、2週連続の首位を飾ったア・ブギー・ウィット・ダ・フーディの『Hoodie SZN』は3位に(49,000ユニット)、先週2位まで上昇した映画『スパイダーマン:スパイダーバース』のサウンドトラックは4位に(39,000ユニット)、21サヴェージの『I Am > I Was』は3位から5位に(37,000ユニット)それぞれダウンした。ミーク・ミルが6位、ポスト・マローンも7位に粘り強く居座っていて、10位のトラヴィス・スコット含め、今週も6アーティストがヒップホップ勢で占めている。
9位には、米テキサスのカントリー・シンガー=コーディー・ジョンソンの新作『エイント・ナッシン・トゥ・イット』が初登場。週間ユニット数は35,000で、アルバムの実売が23,000枚、ストリーミングによるユニットが1万前後だった。本作は、ワーナー・ミュージック移籍後にリリースした初のアルバムで、これまでリリースした6枚のアルバムでは、2014年の5thアルバム『カウボーイ・ライク・ミー』(33位)、2016年の6thアルバム『ゴッタ・ビー・ミー』(11位)の2枚がチャートインしてるが、TOP10入りは本作が初となる。
Text:本家一成
◎【Billboard 200】トップ10
1位『Future Hndrxx Presents: The Wizrd』フューチャー
2位『ハード・イット・イン・ア・パスト・ライフ』マギー・ロジャース
3位『Hoodie SZN』ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディ
4位『スパイダーマン:スパイダーバース』サウンドトラック
5位『I Am > I Was』21サヴェージ
6位『チャンピオンシップス』ミーク・ミル
7位『ビアボングズ&ベントレーズ』ポスト・マローン
8位『アリー/スター誕生』サウンドトラック
9位『エイント・ナッシン・トゥ・イット』コーディー・ジョンソン
10位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
Photo by Album cover
(提供元:Billboard JAPAN )