ヒットを生むために人の力を借りることが当たり前となった現代。ゴーストライターを雇うということは、MCとしてはNGであったが、現在はそんなゴーストライターの存在も一昔前と比べ容認されるようになりつつある。現に多くのアーティストが制作に際し助けを貰ったと語っているが、今もその姿勢について批判的な目を向けるファンは多い。MCとしてのプライドを保つためにも、自身のリリシズムを証明し続けることがレガシーにも関わってくると言っても過言ではない。
去年、MC SerchはゴッドMCと言われているレジェンドRakim(ラキム)のために作詞を頼まれたと噂されていた。Vlad TVのインタビューにて、これを指摘された彼は、Def Jamやワーナーミュージックのトップを務めた人物であるLyor Cohenから、「Rakimが歌詞を書けなくて困っているため、手伝ってあげて欲しい」と相談されたと話していた。しかしラキムとのデュオ「Eric B & Rakim」のEric B.が耳にし、憤慨したため、彼とは口を聞いてもらえなくなったとも明かしている。
現在、ラキムは自分の著書「Sweat The Technique」のプロモーションを行っている。立ち寄ったラジオ番組Shade45のインタビューにて、例の噂については言うまでもなく良く思っていないことを明らかにした。噂に関して質問された際には少し驚いた様子も見せたが、不当な言いがかりを本気で嫌っていることを明確にした。
「Serchを悪く言うつもりはないが、俺のために何かを書いたとか助けが必要だったとか言うつもりなら、俺はあいつをぶん殴ってやる。40年経って急に変な噂を立てようとするなよ。Serch、お前のことは愛してるが、俺のレガシーを踏みにじるつもりなら俺はお前をぶん殴ってやる。絶対そんな噂はたてるな。」
もちろんラキムがゴーストライターを雇ったという噂を信じていう人はいないようで、彼のリリシストとしてのレガシーは保たれるだろう。