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【スラング解説】獰猛なまでにイケてる?「Savage(サヴィッジ)」というスラングを解説

 

text: Sho Okuda

 

先日デビュー・アルバム『Good News』をリリースしたメーガン・ダ・スタリオン(Megan Thee Stallion)。昨年XXL Freshman Classに選出され、本年のBET Hip Hop AwardsにおいてはHip Hop Artist of the Yearを獲得。肝心の『Good News』の初週セールス見込も上々であり、まさに名実ともに今最も勢いのあるラッパーといって差し支えないだろう。

 

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そんなメグの『Good News』には、同郷の大先輩=ビヨンセ(Beyoncé)を客演に迎えた「Savage Remix」も収録されている。両腕をクルッと回して手をパチンと叩くあのダンスのTikTokにおける大流行も手伝い、同曲がビルボード最高1位を記録したことも記憶に新しい。

 

 

Megan Thee Stallion – Savage Remix (feat. Beyoncé) [TikTok Compilation]

 

この流行りに流行っている”savage”という単語はどのような意味を持つのだろうか? ということで、今回はこのスラング”savage”を特集したい。

そもそも”savage”という単語を英和辞典で引くと、形容詞として「獰猛な」「凶暴な」「残酷な」といった訳語が第一義として出てくるだろう。これはもちろん間違いではないし、実際に21サヴィッジ(21 Savage)などは、”savage”が持つそのようなイメージを自らの名前に託しているのではないかとも考えられる。

 

 

21 Savage & Metro Boomin – No Heart

 

 

しかしながら、ラップ等のリリックにおいてしばしば用いられる”savage”は必ずしも暴力性を伴うものに限らない。Urban Dictionaryで最も多くの高評価を獲得している説明には「暴力的な」以外にも「悪びれない」「とびっきりクールな」と記載があり、”savage”の持つ暴力的なイメージが「暴力的なほどにイケてる」といったポジティブな意味に転化され、人々にカジュアルに用いられるようになったことが窺える。

 

さらに、”savage”は形容詞だけでなく名詞としても用いられる。冒頭に挙げた「Savage Remix」のフックにおいて”savage”の前に冠詞”a”が配されているのも、そのためである。「何事も恐れない人」「容赦ない人」といった意味で、こちらもやはり暴力性を伴わずとも使われるものだ。

 

Kendrick Lamar – LOYALTY. ft. Rihanna

 

 

そもそも”savage”はいつから現在と同じ用法で用いられるようになったのであろうか? 一説によれば”savage”が「暴力的な」「攻撃的な」といった意味で用いられていたのは1500年代からで、「素晴らしい」の意味で用いられるようになったのは1990年代からだという。最初の用例がいつ、誰によるものか確認する術は無いが、少なくとも2010年には辞書どおり以外の用法で”savage”が使われていることが、Twitterでは確認できる。

 

※ここでの”af”は”as f**k”の略。「クソみたいに」といった具合で、程度を強めるのに用いられる。

 

マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)のアルバムのタイトルにもなった”bad”がその最たる例だが、元来ネガティブな意味を持つ言葉の中には、口語ではポジティブな意味でも用いられるものが少なからずある。”savage”の次は、どの単語の出番だろうか?

 

21 Savage x Metro Boomin – My Dawg

 

参考
Genius | Song Lyrics & Knowledge
Urban Dictionary: savage
savage AF | Dictionary.com 

 

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