ウータン・クランが昨年の『The Saga Continues』に続くニュー・アルバムを制作中であることを明かした。マスター・キラーが米ビルボードに語ったところによると、ニュー・アルバムはゴーストフェイス・キラーが先頭に立って制作が進められているとのことで、ちょうどデビュー25周年のタイミングでのリリースを目指しているようだ。
インスペクター・デックもニュー・アルバムについて、“監督している”のはRZAだが“運転している”のはゴーストフェイス・キラーであると認め、「彼は作品に新たな展望とフレッシュな目と耳を与えている」と語っている。そして、「RZAを初期の頃に信頼していたのと同じようにゴーストを信頼している。だってそうだろ?ゴーストはソロでも成功している。気分転換だ。25周年を迎えるにあたって、この作品が再びノリのいい、ウータンの名作となることを期待してる」と彼は話した。
アルバム制作はまだ初期の段階のようで、GZAは、「俺はスタジオに入る時のためにメモを整理し始めているんだ。初めてのことばかりだよ」と話しているが、インスペクター・デックはニュー・アルバムはこれまでのウータン・クランとは一味違う作品になるだろうと予想している。「RZAは深く考えるタイプだ。彼の題材は俺ら全員を合わせたものよりも膨大だろう。ゴーストはソウルフルなタイプのブラザーで、深い意識を持っているけれど、ウータンの本質により近いと思う。ウータンはビートとライムだった。ゴーストはよりハードなビートを選ぶ。彼は“Camay”みたいな曲も作ってるから、女性をスキップすることもない。バラエティに富んだハードなものになりそうだ。RZAは深いコンセプトを考え出すが、ゴーストはそれをほんの少しハードにするんだ」と彼は説明している。
ウータン・クランはまた、2018年5月27日と28日に米ミネソタ州セントポールの【Soundset Music Festival】とミシガン州デトロイトの【Movement Electronic Music Festival】に登場し、デビュー・アルバム『燃えよウータン』のリリースから25周年を記念してアルバムから全曲をライブ・パフォーマンスした。
ライブを前にマスター・キラーは、デビューからの年月はあっという間に過ぎたと語った。「25分みたいな感覚だ。とても美しい25分間。時間はどこへ消えた?あれは1992年で、今俺たちはこんなにも恵まれた機会を得られた。1992年とか1993年からスタートした俺たちが、再集結して祝うことができるんだ」と彼はコメントしている。
インスペクター・デックは、「(ライブで全曲をパフォーマンスするのは)久しぶりだよ、最後にやったのは2000年代初頭だったかな」と振り返り、「25年も経って、俺らは時代を超えて生き残り、自分たちの実力を発揮し続けている。そしてそのことを評価してくれている人々がいるのはドープだな」とコメントした。
そしてウータン・クランのライブ・パフォーマンスについて、「俺たちはステージに上がってヒップホップの本質を生かし続けてるんだ。声を持たない者の声になるために音楽を作った俺たちは、25年後もそれを継続している。だから俺らがステージに上がる時、クリスタル(シャンパン)が次々と開栓されるようなことはない。ライブに来てくれるファンは心の糧を求めているのだから、俺らはエプロンをつけて準備してるよ」と語った。
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(提供元 Billboard JAPAN)