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チャイルディッシュ・ガンビーノ、印税の未払いを巡りかつてのレーベルと和解

 

 

チャイルディッシュ・ガンビーノことドナルド・グローヴァーと、かつてのレーベル<Glassnote Records>(グラスノート・レコード)が、未払い印税に関して争っていた件について、示談で解決することで合意した。米ニューヨークの裁判所に先週末提出されていた書類が2019年3月4日に承認された。グローヴァー側は、レーベルからストリーミング印税が一部支払われておらず、費用の計算を誤るなどライセンス契約に違反していると主張していた。

 

2018年7月にGlassnote Entertainment Group(グラスノート・エンターテインメント・グループ)は、チャイルディッシュ・ガンビーノ名義の『キャンプ』(2011年)、『ビコーズ・ジ・インターネット』(2013年)、『アウェイクン、マイ・ラヴ!』(2016年)の3作に関して、PandoraやSiriusXMに代表されるストリーミング・サービス(“non-interactive”、ユーザーが聴く曲を選べない、いわゆるネット・ラジオ)のデジタル・パフォーマンス印税を一部受け取る権利があることを求める訴えを起こした。

 

米国におけるネット・ラジオ型の印税は、ユーザーが曲を選べるオンデマンド型のものとは異なるシステムになっており、連邦規定に基づいてSoundExchangeに支払われたのちに50%がマスター音源の所有者に、45%が楽曲に参加したレコーディング・アーティストに、5%がフィーチャーではない貢献者に分配される。グローヴァーは、マスター音源の所有者は自分であり、グラスノートは使用許可を与えているだけでSoundExchangeから分配金を受け取る権利はないと争っていた。

 

グラスノートの申し立てに対し、昨年9月にグローヴァー側も反撃した。レーベル側が、販売手数料やプロデューサー印税の計算を誤り、国際的な収益を過少報告し、製造経費を誤って報告するなどしていたことが、2017年の会計監査により明らかになったと主張した。

 

グローヴァーの弁護士ジョナサン・D・デイヴィスは、「グラスノートのために多額の利益を挙げ、レーベルへの興味を引き、その名声をとどろかせ、蓄えを築き、複数の【グラミー賞】ノミネーションや賞を獲得したにもかかわらず、グラスノートは(グローヴァーの)代理で集めた印税を勘定し(グローヴァーの会社に)支払わおうとせず、ライセンス契約における保証、表明、条項に違反している」と訴状に書いていた。

 

グローヴァーは2017年にグラスノートを去り、RCAレコードと新曲やレーベル・ベンチャーを含めるパートナーシップ契約を結んだ。新たな協定のもとでリリースされた「ディス・イズ・アメリカ』は米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で首位を獲得し、今年の【第61回グラミー賞】で<年間最優秀レコード>、<年間最優秀楽曲>、<最優秀ミュージック・ビデオ>、<最優秀ラップ/歌唱パフォーマンス>を獲得した。

 

Photo By Getty Images Entertainment

(提供元: Billboard Japan

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