ジュース・ワールドの新作『デス・レース・フォー・ラヴ』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作は、昨年5月に発売されたデビュー・アルバム『グッドバイ&グッド・リダンス』から、10か月という短いスパンでリリースされた、自身2作目のスタジオ・アルバム。これまでの最高位は、ブレイク曲「ルーシッド・ドリームス」がソング・チャート(Hot 100)で獲得した2位で、それを上回る自己最高位にして初のNo.1獲得となった。
初動ユニット数は165,000で、そのうちアルバムの純粋な売上枚数が43,000枚、120,000枚分がストリーミングによるユニットだった。週間視聴回数は1億7,640万回で、ストリーミング・チャート、R&B/ヒップホップ・チャートでも、同1位に初登場している。前者では、アリアナ・グランデの『thank u, next』(今週2位)が2月23日付チャートで記録した3億7000万回に次ぐ2番目、後者では、2019年最高のストリーミング数を記録している。なお、2019年度(2018年12月1日~)では、12月15日付チャートでミーク・ミルの『チャンピオンシップス』が獲得した、2億3,540万回に続く記録。
高視聴回数を記録した理由として、収録された曲数の多さが挙げられる(全22曲)。曲数が多いアルバムは、視聴された楽曲のストリーミング・ポイントがアルバムのユニット数として加算されるからだ。また、前月に発売された先行シングル「ロバリー」も、ソング・チャート27位まで上昇するスマッシュ・ヒットを記録していて、アルバムのプロモーションに貢献している。
週間72,000ユニットを記録して、アリアナ・グランデの『thank u, next』は2位をキープ。数字は徐々に落ちてきてはいるが、登場5週目にしてこのユニット数は快挙といえるだろう。登場23週目にして3位をキープしている『アリー/スター誕生』のサウンドトラックも強い。アカデミー効果も完全になくなってはいないようで、今週も48,000ユニットと高い数字を維持している。レディー・ガガは先週、通算6枚目のアルバムを制作中とSNSで発表していて、今年中にはリリースされる可能性が高い。
今週4位に初登場したのは、マレン・モリスの新作『ガール』。【第59回グラミー賞】で<最優秀カントリー・アルバム賞>にノミネートしたデビュー作『ヒーロー』から、約3年ぶりにリリースされた自身2作目のスタジオ・アルバムで、その『ヒーロー』が記録した5位を上回る、自己最高位を更新した。昨年大ヒットしたゼッドとのコラボ曲「ザ・ミドル」の最高位も5位だったため、シングル、アルバム両チャート含めての自己最高位となった。
初動ユニット数は46,000で、そのうちアルバムの売上枚数が25,000枚、ストリーミングとの割合もいい塩梅だった。カントリー・シンガーでも、彼女のように若い世代に支持のあるアーティストは、ストリーミングでも高セールスが見込める。おそらく、「ザ・ミドル」の大ヒットが後を引いているのだろう。カントリー・アルバム・チャートでは1位に初登場。2018年9月29日付チャートでNo.1デビューした、キャリー・アンダーウッドの『クライ・プリティ』以来となる、女性カントリー・シンガーのTOP5入りとなった。
同週はジュース・ワールド以外大型の新譜がなく、『ボヘミアン・ラプソディ』のサントラ盤が6位から5位に、ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディの『Hoodie SZN』は10位から6位に大きく上昇。ポスト・マローンの『ビアボングズ&ベントレーズ』は11位から7位にTOP10復帰し、ガンナの『ドリップ・オア・ドラウン2』が8位停滞、ドレイクの『スコーピオン』は12位から9位、トラヴィス・スコットの『アストロワールド』は13位から10位に、それぞれ繰り上がった。
Text:本家一成
◎【Billboard 200】トップ10
1位『デス・レース・フォー・ラヴ』ジュース・ワールド
2位『thank u, next』アリアナ・グランデ
3位『アリー/スター誕生』サウンドトラック
4位『ガール』マレン・モリス
5位『ボヘミアン・ラプソディ』サウンドトラック
6位『Hoodie SZN』ア・ブギー・ウィット・ダ・フーディ
7位『ビアボングズ&ベントレーズ』ポスト・マローン
8位『ドリップ・オア・ドラウン2』ガンナ
9位『スコーピオン』ドレイク
10位『アストロワールド』トラヴィス・スコット
Photo by Albumcover
(提供元:Billboard JAPAN )