Text：Kaz Skellington (Twitter / Instagram)

1996年2月13日にリリースされた、2Pacの4thアルバム『All Eyez On Me』。このアルバムは2Pac史上最も売れたアルバムであり、リリース初週には56万枚以上のセールスを記録した。2014年には、RIAAによってダイアモンド認定されており、1000万枚以上のセールスが記録されている。＜デス・ロウ・レコード＞に移籍し、2Pacにとって生前リリースされた最後のアルバムとなった「All Eyez On Me」であるが、8つの豆知識を紹介したい。

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シュグ・ナイトが保釈金を払う

性的暴行事件で無実を主張していたが、有罪判決が下ったことにおり、刑務所に収監されていた2Pac。8ヶ月ほど収監された彼にオファーをかけたのが、＜デス・ロウ・レコード＞のシュグ・ナイトと、インタースコープ・レコード代表のジミー・アイオヴィンであった。この2人が保釈金を支払う対価として、2Pacは、＜デス・ロウ＞から3枚アルバムをリリースするという契約をしたのだ。

2Pacは、契約書の代わりに、面会にきたシュグ・ナイトに渡されたトイレットペーパーにサインしたという噂もある。シュグ・ナイトが2Pacを訪問したとき、持っていた紙がトイレットペーパーのみだったため、2Pacにトイレットペーパーにサインさせたようだ。

アルバムタイトルの候補

2Pacは、『All Eyez On Me』というアルバムタイトル以外に、3つの候補を考えていた。1つ目は、『When I Get Free（俺が自由の身になったら）』というタイトルであり、釈放される前に考えた案のようだ。その他には、「安楽死」という意味の『Supreme Euthanasia』と『Euthanasia』という候補があったと明かされれている。

『All Eyez On Me』に込められた意味

2Pacは、「All Eyez On Me」の意味をMTVのインタビューにてこのように語っていた。

 

「All Eyez On Me（全ての視線が俺に）」というタイトルをつけたのは、まさに自分の状態を表しているからだ。警察やFBIも、俺を常に監視している。そして俺に嘘の罪を被せようとしている女性たちも俺を見ている。逆に俺のことが好きな女性たちも俺のことを見ている。俺のことを羨ましがっているやつも、仲間も、世の中が俺の次の動きに注目しているんだ。だから「All Eyez On Me」だ。

保釈された日にレコーディングを開始

2Pacの保釈後初となる1996年のアルバム「All Eyez On Me」であるが、その1曲目である「Ambitionz Az a Ridah」と、13曲目の「I Ain’t Mad At Cha」は、保釈された日にレコーディングされたとDaz Dillingerは語っている。保釈された日にDaz Dillingerと合流し、すぐさまレコーディングを開始したようだ。

2週間で完成

27曲も収録されているダブルディスクである同作品は、2週間で完成したとも明かされている。ビートがない場合は、クリックに合わせてラップをし、後ほどプロデューサーにビートをつけるように指示していたという。2Pacは刑務所にいたこともあり、世間の興味が薄れてしまうことを恐れ、信じられないスピードで完成させたようだ。朝まで作業をし、エンジニアが寝てしまうまで作業が続く日もあったと語られている。

「California Love」はドクター・ドレーのソロ曲になるはずだった

元々ドクター・ドレーは2Pacのためにこのビートを作ったわけではなく、デス・ロウから独立した後に自身で使用するためにこちらのビートを保存しておいたようだ（※）。2Pacの出所後、早急にアルバムを完成させるために、当時のデス・ロウにあったビートを集結させて2Pacに提供したため、こちらのビートも2Pacが使用することになった。

アルバム「All Eyez On Me」にはリミックスバージョンが収録されており、元々はドクター・ドレーが構想していたアルバム「The Chronic 2」にオリジナルが収録される予定であった。「California Love」のサビには、トークボックスの第一人者であり、ファンクレジェンドであるロジャー・トラウトマンが参加している。サビのメロディはロニー・ハドソンのウェストコーストアンセム「Westcoast Pop Lock」。

「Can’t C Me」はドクター・ドレーとアイス・キューブの曲になるはずだった

アルバムのなかで最もハードな曲とも言える曲。この曲もドクター・ドレーがプロデュースしており、ファンクレジェンドP-Funkのジョージ・クリントンがフィーチャリングされている。このハードなビートは元々ドクター・ドレーとアイス・キューブの共作「Helter Skelter」に使用されるはずであったが、プロジェクトはリリースされなかった。また、Tha Dogg Poundの曲になるはずだったという噂もある。

「How Do U Want It」のサビは2Pacが書いた

ビルボード1位を獲得し、大ヒットシングルとなった「How Do U Want It」。リリースされたバージョンでは、K.C. & JoJoがフィーチャリングされているが、元は2Pac本人が歌おうと思っていたようだ。彼は、自身がレコーディングしたバージョンのクオリティに納得がいかずに、K.C. & JoJoにサビの歌唱を頼んだと明かされている。

(Source)

10 Things You May Not Have Known About 2Pac’s ‘All Eyez on Me’

https://www.illmuzik.com/threads/the-making-of-all-eyez-on-me.11401/
https://www.ibtimes.co.uk/2pac-all-eyez-me-20-remembering-death-rows-finest-132-minutes-those-who-helped-make-it-1543984
https://www.theringer.com/music/2021/2/12/22279018/tupac-shakur-2pac-all-eyez-on-me-history-death-row
https://playatuner.com/2017/02/2pac-all-eyez-on-me/