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【差別の実験】キラー・マイクが国民に出した人種差別の「宿題」とは?ジェーン・エリオット博士の「茶色い目/青い目」の実験。

 

 

先日、ジョージ・フロイド氏の事件について、「人種差別的な社会システムを無くすこと」に関してエモーショナルなスピーチをしたKiller Mike(キラー・マイク)。彼のヒップホップデュオ「Run The Jewels」は、新アルバムを無料で公開したばかりであるが、そんなキラー・マイクが、Stephen Colbertのインタビューに答えた。

 

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インタビューの中でStephen Colbertは「今、黒人をサポートしたい白人は何をするべきなのか?それか関わらないべきなのか?」という旨の質問をしており、キラー・マイクは以下のように答えている。

 

避ける必要はない。団体のために経済的なサポートをすること、その後に、実際に現地へ行き、彼らと協力するんだ。だがあなたたちに理解してほしいことは、「今現在」だけではなく、「ずっと」この問題があるということだ。「今」サポートするのが目標ではない。システムを直すために、実際にその一部となり、常に参加するんだ。宿題としてやってほしいことは、YouTubeにて「Jane Elliott(ジェーン・エリオット)」と検索するんだ。あなたの1時間を使ってほしい。彼女は人種差別について話しているのではなく、人種差別がどのようにして私たちに与えられているのかを教えているんだ。そして彼らは、自分が差別していることにすら気づいていないということを。

 

「人種差別的な社会システム」を無くすためには、「今できるサポート」だけではなく、常に取り組み続けることに意味があると説明したキラー・マイク。こちらのジェーン・エリオットという人物は、反人種差別を訴えている教師/活動家で、キラー・マイクは彼女の有名な言葉についても語っている。

 

「もしあなたたち白人が、この社会システムの中で黒人が扱われているのと、同じように扱われたいと思うのであれば、立ち上がってください。誰も立っていないですね。つまり、何が起きているかは理解している。その上で、自分の身には起きてほしくないと思っている。それなら何故、自分以外に起きているのことを許せるのか教えてほしい。」

 

このようにエリオット博士は、システムとしての差別が存在していると理解しているにも関わらず、自分以外に起きることを受け入れてしまっていることが問題なのであると伝えている。

 

またキラー・マイクが言ったようにYouTubeにて彼女の名前で検索をすると、「brown eye blue eye(茶色の目、青い目)」という51分の動画が出てくる。エリオット博士は人種差別がどういうものであるか説明するために実験を行っており、動画の内容は以下のようになっている。

 

 

茶色い目と青い目の実験

 

動画は、自らが希望し、「精神的にストレスになる可能性がある」という内容の承諾書にサインをした学生が、朝早くに集合するところから始まる。エリオット博士は、こちらの授業にて、まずは「青い目」の学生と「茶色い目」の学生に分け、自分が「権力者」となる。茶色い目を持った学生は全員分の椅子がある部屋に招かれ、青い目を持った学生は椅子が3つしかない部屋にて、しばらく放置された。エリオット博士は茶色い目の学生に「肌の色と目の色の違いはメラニンの数が決まります。この実験では、青い目を持った人たちはメラニンが少ないからダメであり、知的にも劣っているとでもしましょう」と説明し、社会では侮蔑を意味する特徴として捉えられていない「青い目」を劣等条件とした。「青い目を持っているという理由で、彼らに対しての、期待を下げます。そして彼ら自身が、自分たちへの期待値を下げるように仕向けます。そして何かが上手くいかなったとき、青い目のせいで失敗したことにします。」

さらに大人のエゴが出てくるように、彼らを名前で呼ばずに「Boys」、「Baby」、「Bluey」などの言葉で青い目を持った学生を呼ぶことにした。

 

「私がこの実験を編み出したわけではありません。これはアドルフ・ヒトラーが実際にやったことなのです。ガス室に送り込む人を選別する方法のうちの一つが、目の色だったのです。そうやって人々をコントロールしてきた」という説明をし、いかに人種差別的なシステムが今までの歴史で利用されてきたかを、茶色い目の学生たちに語る。

 

その後、青い目の学生たちは、部屋に呼ばれ、まるで裁判所のような形で、部屋の真ん中に座らせられる。青い目の学生には命令口調であったり、高圧的な態度で指示をするエリオット博士。「青い目は政治に参加できない」「なんで青い目の人は茶色い目の人ような態度を取れないの?」「私は青い目に対しての偏見はない、なぜなら青い目の友達がいるから」などといった差別的な看板を読まされた青い目の学生たち。最後の「青い目の友達がいるから」について、エリオット博士は「聞き覚えがない?」と学生たちに質問する。

「私には黒人の友達がいるし、偏見は持っていないって言われたことある?私があなたを見るとき、黒人として見てないよ、って聞いたことない?」と聞かれ、茶色い目の学生の一人は「毎日だよ!」と答える。「『私があなたを見るとき、肌の色は見てないよ』って言われたとき、あなたはなんて答える?」と聞かれ、「でも私は黒人だよ、と言う」と答えた黒人の学生。「もし色が見えていないのであれば、最初から『あなたを黒人としては見ていない』なんて言えるはずがない。嘘をついているとすぐにわかる」と語るエリオット博士。

 

エリオット博士は青い目をした学生たちに、細かいことで嫌味のようなことを言っていく。青い目の学生が怒りはじめ、「言う通りにしたら良いですか?」と聞くと、エリオット博士は「あなたが何をしても、どんな形をしてても良くない」と返す。泣きはじめる青い目の参加者を見て、エリオット博士は茶色い目の学生に「学校や社会で、このような態度で何かを言われたことある人?」と聞くと、多くの黒人やラテン系の学生がそのような経験をしたことがあると答えた。

 

泣きはじめた青い目の学生を見て、エリオット博士は続けて、黒人だから不当に殺害された大勢の者たち、ゲイであったから殺害され、吊るされた者たちの例を挙げる。「申し訳ないが、私たちは、このように”自分と違うから”という理由だけで、酷いことをする社会を許してしまっている世界に住んでいる。単位がもらえるからと、自分から志願した実験だと知りつつ、これが一時的なものだとわかっている白人の女性の涙のために、申し訳ないけど私は涙は流せない。社会ではもっと毎日酷いことを言われている人たちがいるし、それでも言った側は『別に差別の意識があったわけではない』と言い張る。」

「現実社会にて、このような扱いを受けたときに、泣いて問題が解決したことってありますか?」と聞かれた茶色い目のグループの女性は、「ない。大体『気にしすぎ』とか『乗り越えろ』って言われる」と答えた。さらに「日常的にもっと酷いことをされている人たちのことを考えて涙が出てきた」と答えた学生もいた。

 

青い目の学生は、エリオット博士にバカにした態度で接せられ、周りの茶色い目の学生は笑う。怒りを爆発させないように、堪えている青い目の学生に対して、「もし毎日、周りからこのような扱いを受けたらどう思う?もし自分の子供がこのような思いをしていたら、どう思う?誰かが自分に向かってきたときに、このようなことを言われるかも知れないと怯える毎日をどう思う?」と聞いた。実験中に自分の主張が通らず、「こんなことで私たちを責めるのはおかしい!」と泣き始めた青い目の学生に、「キング牧師は、自分の主張が通らずに撃たれて亡くなった。今あなたにそのような危険が迫っていますか?」とエリオット博士は言う。中にはこのようなことを言われ、教室を去ってしまう学生もいた。

 

自分が伝えたいことを理解してもらったとしても、確実に学生の心の中に根付くように、徹底的に、強い方法でやらないといけないと語ったエリオット博士。

 

「中には、とても怒った状態でこの教室を出る人もいるでしょう。あなたは2時間だけ、このような経験をして、怒った。もし人生でずっとこのような経験をしていたら、どのように感じるかを考えてみてください。この世の中には、こういう扱いが嫌になったとしても逃げる場所がない人たちがいる。この国のどこに行っても、差別から逃げられないし、なんなら家にいても、テレビをつければ嫌でも見ることになる。でもさっき教室から出た青い目の彼女は、教室から出たら、自分がそのような扱いを受けないということを知っている。彼女は、学んでいた環境が心地よくなかったから、去った。そこでよく考えてほしい。なぜ『有色人種』と呼ばれる人たちが、学校を辞めたり、ドロップアウトするのか?違う文化やライフスタイルで生きている人たちにとって心地よくない環境が学校でも作られ、彼らが辞める選択をしてしまうから。そして学ぶ機会や、仕事を失う。ああやってこの教室を去って学ぶ機会を失うよりも、遥かに大きなリスクを背負って。」

 

この実験方法をやる彼女も本来は、このような方法でやりたくないと語る。「私は本当は、こんなやり方をしたくないし、私が信じている方法と正反対のやりかたです。家に帰って毎回2日ほど頭痛に襲われる。私が信じて、子どもたちに教えていることと、全く反対のことをやっている。でも有効なやり方なのです。これを経験した人たちが、有効になるような行動をとってくれれば、有効なのです。もし、このなかの一人でも、お互いの違いを認め、行動してくれれば、頭痛になった甲斐がある。あなたたちの誰にも苦しんでほしくない。」

 

最後に彼女はジェンダーについても取り上げ、学生にこのように語った。「私たちは他人の特徴や見た目や、中身の違いに関して、自分にとって都合の良いように他人に押し付けてはいけない。私たちは、一人ひとり全く違うリアリティを生きている。もし他人の経験を否定したら、その人のリアリティを否定することになる。私とあなたの心理は同じですか?違います。白人も黒人もラテン系もネイテイブアメリカンもアジア人も、全員が違う心理を持っています。男女でも違うし、子供と大人でも違う。内面も、外面ほど違う。私たちにはその『違い』を持つ権利があります。違いを否定するのではなく、受け入れ、認め、感謝し、自分が持っている違いを大切にすることは非常に重要です。この授業は終わります。もう目の色なんて気にする必要はありません。この中には、外に出ても自分の肌の色を気にしなくてもいい人たちがいます。逆に、社会的に気にせざるを得ない人たちもいる。この授業をここで終わらせずに、学んだことを続けて、世の中を良くしていくこともできる。逆に、何もしないという選択もできる。でも私や他の白人には、その選択肢がある。肌の色で、その選択肢さえもなく、毎日たたかうことを余儀なくされるものもいる。」

 

この回では、大学生に対して、この授業を行ったため、このような「社会のシステム」というものに近い形で行われた。実際に授業を終えた学生たちは、多くを学んだとコメントしており、文章ではニュアンスが伝わらなかった箇所もあると思うので、動画で全編を見ていただきたい。彼女は「マジョリティ」が、他の人種を受け入れない自由と、受け入れていないことを認めない自由を持ってしまっていると語る。現代の米国の社会システムは、このようにして作られてきました。白人が有利になるために、法律が作られ、もしそれが上手く行かなくなったら、法律を変える、という歴史についても話した。こちらには、子どもを対象にされた実験もある。

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