先月6月25日に、Jay-Zのデビュー・アルバム「Reasonable Doubt」はリリースから24周年を迎えた。1996年の時点でゴールド認定されたヒット作であり、Jay-Zのビジネスマンとしてのスタートを切った作品であったが、なんとRoc-A-Fella Recordsはアルバムの売上として300万円〜400万円ほどしか得ることが出来なかったようだ。本来であれば、数億円の売上となるような作品であったが、なぜ彼らはこれだけの金額しか得ることができなかったのだろうか?Jay-ZやDame Dashと共に、Roc-A-Fella Recordsを設立したKareem “Biggs” Burkeが、2016年のGeniusのインタビューにて「契約」の重要性について語っている。
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1995年、Jay-ZとDame Dashは俺に「自分たちでやった方がいいと思うんだ。レーベルに所属するのではなく、インディペンデントで、音源の80%を所有して流通の契約だけをしよう。」と言ったんだ。でも実際にした契約は違かった。俺たちが全体の80%をもらえる契約をしたと思っていたんだが、実際にはアーティストとしてJay-Z個人にいく分の80%だけがレーベルに入るという契約書になっていた。俺たちが思っていた契約とは全然違ったんだ。だから、300~400万ドルを稼ぐつもりが、3~4万ドルしか稼げなかった。
彼らは契約書に書かれている内容を勘違いしており、全体の80%ではなく、アーティスト印税としてJay-Zに支払われる取り分の80%のみがレーベルに支払われるという、非常にアンフェアな契約を結ばれていたのだ。弁護士を通さず、契約内容を理解していなかったことにより、アンフェアな契約を結んでしまうアーティストは多い。実際にJay-Zは、1stアルバムでその過ちを犯してことによって学び、ビジネスマンとしても成長することができたのだろう。
その後にリリースされたアルバム「In My Lifetime, Vol. 1」では、Def Jamとフェアな契約を結び、後にDef JamのCEOにまで上り詰めた。Murda Beatzなども以前「契約には気をつけろ」と若いアーティストにメッセージを送っている。