Rick Ross(リック・ロス)とKanye West(カニエ・ウェスト)のコラボというと、アルバム「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」に収録されている楽曲「Devil In A New Dress」を思い浮かべる人は多いだろう。今ではスターとなった二人だが、彼らは実はお互いにトップアーティストになる前からの知り合いであったようだ。今回は、音楽を通して友情を築いた二人のエピソードを紹介したい。
TheMottoのインタビューにて、リック・ロスは他のアーティストの楽曲を制作するためのスタジオ・セッションでカニエと初めて会ったようだ。カニエはトラックのプロデューサーとして、Rick Rossは作詞家としてその場にいた。休憩時間に意気投合した二人は、お互いのすべての楽曲を流しながら、ラップを披露しあったと話している。
「これは俺や彼がメジャーヒットを生む前の話だ。ただ二人がスタジオにいるだけだった。俺のアルバムをプロデュースしてほしいという会話もした。」
それから二人は日程を決め、電話番号を交換した。その頃にカニエは人生を変えるほどの交通事故を起こしており、その大事故の結果、口にワイヤーが縫い付けられた状態での生活を余儀なくされ、楽曲「Through The Wires」が生まれた。リック・ロスは「彼が事故を起こしたその週に一緒にスタジオに入るはずだった」とも語っている。
そんな彼に「had cyphers with Yeezy before his mouth wired(ワイヤーがカニエの口につく前に彼とサイファーした)というリリックはそこから生まれたんですね」と聞くインタビュアーに対し、Rick Rossは以下のように答えている。
「あれは彼に当時の記憶を思い出させただろう。これは俺たちが普段話さないことだ。俺たちがまだ誰でもなかった、無名だった頃のことは話さないんだ。俺たちがどこからやってきたのかは絶対に忘れないが、昔を見るよりお互いが今を輝いているところを見ているほうがいいから。」
彼は以下のように続けている。
「最終的には、自分がどこからやってきたのか、何を夢見ていたのか、自分たちの目的がなんだったのか、全部わかっているんだ。そして、俺の祖父が数年前に教えてくれたことを俺は絶対に忘れない。成し遂げようとしたことを成し遂げたなら、お前は勝っていると。」
今ではスターとなったリック・ロスとカニエであるが、駆け出しのアーティストであった二人についてのインスピレーショナルなエピソードであった。