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ケンドリック・ラマーのプロデューサー/エンジニアたちがアドバイス。「Type Beat」ではなく「自分のサウンド」を作り上げることの重要性

 

 

2019年の2月に行われたRed Bull Music Academyのインタビューにて、Sounwave、MixedByAli、Tae Beastの3人がアップカミングなプロデューサーやエンジニアにアドバイスを送った。彼らは主に、ケンドリック・ラマーやSZAなどが所属するレーベル「Top Dawg Entertainment」の作品などで知られている。流行りに乗ってビートを作る「プロデューサー」が多いなか、業界の最前線で活躍する3人は他のアーティストを意識するのではなく、「自分のサウンド」を作ることの重要性について語っている。

 

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TDEのインハウス・プロデューサーであり、ケンドリックの「Good Kid, M.A.A.D City」、「To Pimp a Butterfly」、「DAMN.」などのアルバムを手がけた内の一人でもあるSounwaveは、以下のように話した。

 

「自分の新たなサウンドを追求する前に、すぐに世に出ることができる近道を探してしまうアップカミングなプロデューサーが多い。俺としては時間をかけてでも、自分のサウンドを見つけ出すべきだと思う」

 

続けてTae Beastは以下のように語っている。

 

「俺的には、考えすぎないことかな。オーバープロデュースをしてしまうということがある。バカでも理解できるようにって言うと、言い方が悪いかもしれないが。例えばボーカルが乗ってない状態のビートに、既に97個ものサウンドを乗っけてるプロデューサーがいたりするんだ。その上に歌詞を書いて、ボーカルを録音するという工程がまだ残っているから、明らかに要素が多すぎる。そういう時は一度ゆっくりしてヴァイブスをキャッチするような時間が必要だと思う。考えすぎずに、あとはビートを誰かのサウンドに寄せるな、と言いたい。ケンドリックのためにビートを作ったから聴いてほしいって連絡が来て、聴いてみたらDAMN.のような感じのビートだった。ケンドリックはもう次の段階に進んでいるんだ。Sounwaveが言ったように、自分のサウンドを作り上げろ。自分以外の誰かになろうとするな」

 

Sounwaveと同じく、業界で流行っているサウンドをフォローするのではなく、「自分のサウンド」を作り上げることが重要であると考えを語ったTae Beast。また、MixedByAliは以下のように話している。

 

「俺もそう思うよ。色んなエンジニアから、どうやったらお前みたいになれるんだって質問されることがある。アーティストの専属ではないエンジニア/プロデューサーからしたら、このレベルまで到達するのは難しい。毎回毎回コンペのような形で仕事を取らないといけなくなってくる。そうやって仕事を取りたいから皆、Futureタイプビートとか、ケンドリックタイプビートのような他人のサウンドを意識したものを送ってくる。でも自分が信じている新人アーティストとチームアップして、一緒に自分のサウンドを作り上げていけばいい。そのアーティストが有名になり、一緒にサウンドを作ってきたエンジニアがいたら自分にも注目を当ててくれるだろう。一緒にサウンドを作り上げるというのはとても重要なことだと思う。」

 

業界では「type beat」と呼ばれるように、「とあるアーティストっぽい」ビートを作り、世間に認識してもらおうと活動しているビートメイカーが多く、新人が世に出る一つの手段となっている。しかしそのような流行がありつつも、この3人は「他人に寄せるのではなく自分のサウンドを追求しろ」とアドバイスをする。これは以前ドクター・ドレーが語った「プロデューサー」と「ビートメイカー」の違いとも言える。ケンドリックのような後世に残るアーティストは、常に自分のサウンドを追求/更新しており、そのように文化を前に進めたいのであれば彼らのアドバイスが身に染みるであろう。

 

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